働く女性にとって、思わぬ不妊治療をきっかけに働きかたやライフプランを考え直す人は少なくありません。妊活休暇などの制度もまだまだほんの一握りの企業の取組みで、多くの場合、当事者だけが負担を感じながら仕事と治療を両立しています。

 

■ 仕事を辞めたくない派が増えている?

仕事と治療の両立はなにかと大変。休職や退職を検討する人も多いのが事実ですが、筆者の個別セッションや座談会で感じる限りでは、働き方を変えてでも仕事を続けたいという人が多くなってきたように思います。

働き方を変えてでも仕事を続けたい理由について、筆者の周囲の女性たち20名にヒアリングしてみました。多かった意見順にご紹介します。

  • 1位. 経済的な理由

「高額な治療費を少しでも工面するため2馬力で働きたい」、「治療が長引くことも考慮して」というシビアな意見が最多です。

  • 2位. 息抜きや気分転換も大事にしたい!

「治療を機に仕事を辞めるのではなくパートなどにワークダウンし、最低限自由に使えるお金は稼ぎたい」、「ゆるくでも働くことが気分転換になるから」といった声が聞こえました。

  • 3位. 積み上げたキャリアをリセットしたくない!

仕事にやりがいを持ち成果を残しても、一度仕事を辞めると積み上げたキャリアがリセットされるケースがまだまだ多い現実。「正社員で復帰できる保障もないし、もし子どもが生まれなかったら…と考えるとなおさら仕事は手放したくない」という声も。

他には、「不妊治療に対する周囲の理解やサポート体制が整ってきた」という喜ばしい声もありました。

 

■ 仕事との両立を助けるポイント4つ

  • 1. 上司や周囲の人の理解を得る

オープンにするのは勇気がいりますが、せめて直属の上司だけでも事情を説明してみてはいかがでしょうか。仕事のやり方や勤務の時間や場所などを少しでも配慮してもらえるだけでだいぶ違うものです。自律的に働き、積極的に貢献する姿勢づくりを忘れずに。

  • 2. 担当医や不妊カウンセラーに相談する

専門知識がない患者としては、自分の治療とは受け身になりがち。時には自ら学び、積極的に医師と話をし、スケジュール調整などの相談をしてはいかがでしょうか。施設によっては不妊カウンセラーが在籍しているので治療以外のことも遠慮せずに相談してみるのも手です。

  • 3. 転院

予約制ではない、待ち時間が長過ぎるなどの理由で両立に支障がある場合は転院を検討するというのもひとつです。最近は休日や夜間に診療しているクリニックも増えてきたので調べてみるといいでしょう。とはいえ、治療実績やその他の項目も加味しながら転院先選びは慎重に!

  •  4. 思い切ってワークダウンする

働き方自体を変えることで、両立のしやすさが変わることもあります。とはいえ、どんな働き方、雇用形態にも一長一短あるので自身の価値観や優先順位をふまえて考えてくださいね。

[執筆:渡辺さちこ, 2015年6月17日]

 

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