筆者のカウンセリングで、上司との人間関係を悩んでいらっしゃる方は多いのですが、特に多いと感じるのが、上司の「物言い」に関するご相談です。上司が高圧的な言い方をするので萎縮してしまう、ですとか、上司がイライラしていることが多く、いつも問い詰められるので自信をなくしてしまった、というようなお悩みです。

 

■ 部下を追いつめてしまってはダメ!

上司は「部下を評価する」というパワーポジションを持っているため、部下は、上司に堂々と意見を述べたり反論することは難しいのです。そのポジションを意識せずに、上司が一方的にしかも感情的に叱責するのは、「指導」とはかけ離れているのではというのが筆者の正直な感想でもあります。

管理職のあなたが部下との円滑なコミュニケーションを望んでいるのなら、使ってはいけないNGワードがあります。何だと思いますか。それは「なんで?」という言葉です。

「なんで?」とは本来ならば「なぜ? どういう理由で?」と訊いている言葉です。例えば、「なんで、今回あの契約が取れなかったの?」と、あなたがその理由や事情を分析するために訊いたとしても、この「なんで?」を使ってしまうと、言われた相手は「なんで、できなかったんだ」と責められているように取ってしまうわけですね。

 

■ 相手が責められていると感じたらアウト

責められている、と感じた部下の心はますます守りに入ってしまいます。そうすると相手は言い訳をはじめたり、しどろもどろになったりして、あなたが望んだ答えが返ってこないわけですね。すると今度はあなたの方が、当初はそんなつもりがなかったとしてもイライラしたり叱責してしまう、という悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。

もしあなたが、普段から何気なく、部下に対して「なんで?」という言葉を使っているとしたら要注意です。部下を追いつめ、自信をなくし、さらにはやる気までなくされてしまっては、あなたの管理能力も問われます。普段から、自分の「言葉の選び方」「物の言い方、伝え方」について十分に意識してくださいね。くれぐれも「なんで?」を多用すること無きように。

[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー), 2015年6月8日]

 

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