堺正人主演のドラマ『Dr.倫太郎』が最終回を迎えました。多重人格のヒロイン明良(蒼井優)が注目されましたが、さらに話題となったのは明良の母親(高畑淳子)の方です。幼い娘を一人部屋に残したまま、愛人と旅行に出かけてしまうようなシングルマザーで、その毒母ぶりがネットでも取り上げられていました。そんな母親であっても、一心に親の愛情を得ようとする娘は次第に心のバランスを失う……。母親のことで悩んでいる人の中には、ドラマを見ていて苦しくなってしまった人もいるでしょう。

 

■ 他人に悩みを話すと逆に非難される

自分の母親が温かみのない人だとか、愛情を注いでもらったことはないと他人に話すには勇気がいります。なぜなら、母親というのは子供を愛し大切にすると考える人がほとんどだからです。

母娘関係改善カウンセリングを行っている筆者のところには、他人に母親のことを話したことで、かえって傷ついたという人も多くいます。

たとえば中学生時代に、お弁当も作ってくれない母親のことを親友に打ち明けたというA子さん(27歳)。親友からは、「お母さん、疲れているんじゃない? それがわからないA子がワガママだよ」とやんわり非難されたと言います。

また、両親の仲が悪く、父親の愚痴を言い続ける母親のことを同僚たちに話したところ、「うちも同じよ」と軽く流され、さらに「お母さんがかわいそうだからせめてA子が話聞いてあげたら」と説教までされ、誰にも理解されず孤独感が増したと言います。

 

親に対しての言いようのない怒りや今まで受けてきた苦しみを、誰かに話したくてもわかってもらえないどころか、非難されてしまう。このような周囲の無理解によって、本人はただでさえ苦しいのにさらに追い込まれる可能性があります。

家族に対する悩みは、身内の恥をさらすようでなかなか言えないもの。ですが、一人で抱え込むとよりつらくなります。カウンセリングで第三者に相談する方法もありますが、たとえば「母娘問題」をテーマにした講座やワークショップなどが開催されることがあります。このような会には、同じような悩みをもつ人が集まる傾向があり、苦しみを共有し分かち合えることで「自分一人ではない」実感が得られますよ。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年6月30日]

 

【参考】
※『Dr.倫太郎』日本テレビ系のドラマ