■ 妹を支配、見下す兄

2015年6月24日、埼玉県で30歳の女性が就寝中の兄を斧で切りつける事件がありました。報道によれば、殺人未遂容疑で逮捕された妹は、「幼い頃から兄に恨みがあった」と犯行動機について話しているそうです。

「幼い頃から…」ということは、20年近くにわたり兄に対して恨みの感情を持ち続けていたのでしょうか。詳細は報じられていませんが恨み、憎しみの感情の奥に何があるのか本人しかわからないことでしょう。

母娘関係改善カウンセラーの筆者のところには母親、父親、姉妹、そして兄または弟に対する悩みで来られる方もいます。多くは自分より兄弟、姉妹の方を大事にしている親に関する相談ですが、中には兄に対する不満や恐れ、怒りなどを話す人もいます。とくに兄に対する悩みでは自分のことを支配する、見下すといった傾向があります。

 

■ 兄への嫌悪感から男性嫌いに

東北地方に暮らすB子さんは、家が農家で長男である兄(2歳年上)は跡取りとして大切に育てられました。とくに祖父母が溺愛したため、そのせいなのか、兄は小さな頃から妹を見下すようになりました。

成長すると成績はB子さんの方が優秀だったのですが、兄より上のレベルの高校は受験させてもらえませんでした。その後、農家を継いだ兄は、B子さんに対して言葉の暴力がエスカレート。一方、両親は見て見ぬふり。B子さんは高校を卒業して家を出るため上京、仕事を見つけて今は一人暮らしをしています。

「兄には限界でした。私の精神状態はぎりぎりで、両親もそれを察したのか兄と離れた方がよいと判断したようです」

今、B子さんが苦しんでいるのは兄への嫌悪がそのまま男性嫌いになってしまっていることです。勤め先でも女性とならうまくやっていかれるのですが、男性の上司や同僚となると目を合わすことすら苦痛だと言います。

 

このようなケースでは、男性嫌いを何とかするといった対処より、まず自尊感情を高めるようにしましょう。長年、兄の心無い言葉によって自信が持てなくなった自分を、大切な存在と受け容れることから始めましょう。自分を大事に思えたら、相手が女性でも男性でも他人に心を開くことができるようになるはずです。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年7月12日]

 

【参考】
産経ニュース「「幼いころから恨み」兄をおので切りつけ 30歳の女、殺人未遂容疑で逮捕」2015年6月24日
※写真:THANANIT SUNTIVIRIYANON / 123RF.COM、本文とは関係ありません