離婚が話題になるときには、それが身近な人の場合でも芸能人の場合でも、必ずといっていいほど、その離婚の理由にも話題は及ぶものですよね。では、もしあなたの夫が「もう飽きたから……」といって離婚を求めてきたら? 果たして、こんな理由でも離婚はできるのでしょうか? こんなふざけた理由で離婚ができるわけない! という声が聞こえてきそうですが、実は、その答えは「イエス」でもあり、「ノー」でもあるのです。

 

協議離婚であれば、どんな理由でもOK

まず「イエス」の場合、これは協議離婚の場合です。日本の民法第763条は「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。」 とのみ規定し、その理由を問うてはいないのです。つまり究極的には、理由なんてなくても離婚すること自体は可能なのです。ただ、これはもちろん相手が離婚の申し出に同意してくれた場合の話。逆に、どんなに立派な理由があったとしても、相手に離婚の申し出を拒否されてしまえば、協議で離婚をすることはできません。

 

■ 離婚の理由を問われるのは裁判で離婚する場合だけ

そして「ノー」、つまり理由なしには離婚できないのが、離婚を求めていざ裁判! となる場合。裁判の場合には、これまでとは一転して「不貞行為」といった民法第770条が定める離婚原因が必要になってきます。もっとも、日本では相手が離婚に同意してくれないからといって、いきなり裁判を起こすことはできず、裁判を起こす前に、まずは家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。この調停は、裁判所に申し立てをするものの、中身は協議、つまりは裁判所を利用した話し合いなので、協議離婚と同様に離婚の理由は問われません。

 

■ 離婚できるか否かの鍵、それは理由よりも同意?!

実は、この離婚の理由を必ずしも必要としない協議離婚と調停離婚とを合わせると、全離婚件数の9割を優に超えるのです(※)。このことから考えるならば、もし早く離婚をしたいのであれば、もっともらしい離婚の理由を見つけることに腐心するよりは、相手に同意してもらえるように心を砕く方がよほど有効かもしれません。逆に、離婚をしたくないのであれば、相手がどんなにもっともらしい理由を掲げて離婚を迫ってきても、同意をしないことが肝心です。

 

離婚の当事者になると、混乱して冷静な判断ができなくなりがちです。離婚をしたい・したくないに関わらず、自分の状況が心配という場合には、早めに筆者のような専門家に相談をするようにしてくださいね。

[ 執筆:糸瀬 彩湖(行政書士/夫婦カウンセラー), 2015年7月21日]

 

【参考】
※厚生労働省HP「平成25年 人口動態調査 上巻 離婚の種類別にみた年次別離婚件数及び百分率」表番号:上巻 10-4
※写真:serezniy  / 123RF.COM、本文とは関係ありません