「ゆう活」という言葉を、聞いたことがありますか? 「ゆう活」とは、明るい時間の長い夏の間、朝早くから働き、夕方は家族や友人との時間を楽しもうという政府が発表したスローガンです。

霞が関では、2015年7月から8月までの間、国家公務員の4割が勤務時間を朝型にシフトする朝型勤務を開始しています(※1)。企業の朝型勤務としては、大胆な朝型シフトに踏み切った伊藤忠商事の事例の影響力が大きく、現在も朝型勤務の導入を検討する企業が増えています(※2)。

しかし、働くママを中心とした子育て中の社員からは、朝型勤務が強制されると仕事が続けられなくなってしまう! という切実な声が……。

 

■ 早朝だと保育園が開いていない、ということも!

朝型勤務というと、“残業時間が減り、女性の活躍推進につながる”と思われるかもしれませんが、それは大きな間違い。架空の人物A子さんを例にとって解説しましょう。

A子さんは、認可保育園に2歳の子どもを預けて働くワーキングマザー。保育園の送り迎えはA子さんが担当しており、9時の始業時間に間に合うよう、8時前には子どもを保育園に預けて出勤しています。ところが、会社が朝型勤務を導入したことで、始業時間が7時30分になりました。そうすると、6時30分前には保育園に子供を預ける必要がありますが、認可保育園の一般的な開園時間は7時以降。開園と同時に子どもを預けても、会社には間に合いません。

 

■ 働くママは、朝型勤務の一斉導入に要注意

朝型勤務が強制されると、A子さんのように、保育園の開園時間との関係で始業時間に間に合わない人が出てくるのです。さらに親としては、起床時間や登園時間が前倒しになることによる、子どもへの影響も気にかかります。

働くママの多い企業であれば、朝型勤務の対象者から子育て中の社員を外すなどの配慮が期待できますが、働くママが少数派の場合は、会社側が保育園の開園時間や子どもへの影響について想像が及ばないケースも考えられます。

会社内で朝型勤務導入の話が持ち上がった場合は、保育園の開園時間等の情報を冷静に伝え、会社の理解を促しましょう。

 

[ 執筆:椎葉 怜子(働き方コンサルタント/キャリアカウンセラー), 2015年7月20日]

 

【参考】
※1. 政府広報オンライン「ゆう活」特集
※2. 伊藤忠商事株式会社「「朝型勤務」制度の導入」
※写真:Tagstock Japan / 123RF.COM、本文とは関係ありません