2015年7月3日、不衛生な「母乳」がインターネットで販売されているという同日付の新聞の報道を受けて、厚生労働省は衛生管理の状況が不明な他人の母乳を赤ちゃんに飲ませるのは感染症などのリスクがあるとして、注意喚起を求める通知を都道府県などに出しました。

今回問題となっている「母乳」。本当にインターネットなどで販売されているのでしょうか?

 

■ 母乳神話に苦しむ

一般的に、母乳には多くの栄養素が含まれ、赤ちゃんの成長にはとても良いと言われています。そのため、子どもは母乳で育てるのがいいと言われることが。

たしかに、母乳にはたんぱく質と抗体が多く含まれ、免疫系が発達していない赤ちゃんに受動免疫を与えています。また、初乳も赤ちゃんの消化器官の発達も助け、適切に働かせます。そして、母親の免疫機能は個人に合ったものであり、母との接触を通じて、適切な抗体や免疫細胞が得られると言われています。この様な理由から、「母乳は万能で母乳をあげる事が親の務め」という人たちもいます。

「粉ミルクよりも母乳で育てるのがいい」。それが母乳神話となり、母乳が出ない人たちを苦しめています。

 

■ 母乳は本当に販売されているの?

インターネットで「母乳販売」と検索してみると、実際に出てきます。売買があるため、実際に販売サイトがあるのですが、追い詰められたママたちは「母乳を子どもに飲ませなくては!」と思ってしまうのかもしれません。

親として初めての育児をしている時に、母乳が出ない。お腹がすいているから子どもが泣いてしまう。子どもに母乳をあげられない私はダメな母親なのではないか……と自分を責めてしまいます。そんな時、ネットで母乳が販売されていたら、つい購入してしまうのではないでしょうか。

 

■ 母乳が全てではありません!

母乳のデメリットもあります。母親が病気になり、薬を飲んでいる場合。母乳に薬の成分が入ることがあります。またアルコールなども、母乳を通して子どもが飲んでしまうようになります。母親の病気も感染させてしまうことがあり、いいことばかりではありません。

 

粉ミルクで育てても、栄養が取れていれば子どもはしっかり育ちます。筆者も100%粉ミルクで育ちましたが、若いころは骨密度の良さでが病院で褒められました。子どもの育児には「神話」がつきものですが、その神話に押しつぶされないように上手に情報をつかんで、楽しい子育てができるようにしたいですね。

[執筆:三木 育美(保育情報アドバイザー), 2015年7月30日]

 

【参考】
『朝日新聞DIGITAL』「母乳、ネット購入に注意喚起 厚労省「感染症のリスク」」2015年7月3日