7月1日から霞が関の各省庁で「ゆう活」がスタートしました。出勤時間を午前7時半~8時半と通常より1~2時間早める「朝型勤務」を職員に促すというもの。原則、午後4時15分以降の会議禁止も政府により指示されており、時間の空く夕方以降を有効利用してもらうことが狙いとされています。政府は今回の取り組みを機に、地方自治体・民間企業にも広げたい考えです。

 

■ 「ゆう活」のメリット

・夕方からの消費活性化

早く退社できればその分、美容院に行く・映画館に行く・スポーツジムに行く……など職場外の時間を有効に使うことが可能になるでしょう。職場と自宅の往復になってしまっている方にとっては、ストレス解消のきっかけにも。そして、消費活性化など経済に与える効果も期待されます。

・ワークライフバランス

残業せずに自宅に帰ることで、家族や子供と過ごす時間が増えるという意味で、ワークライフバランスにつなげたいという政府の狙いがうかがえます。

 

■ 「ゆう活」のデメリット

・子育て世帯には、厳しい制度かも?

出社が1~2時間早まれば、そのぶん早朝保育を考えなければならなくなるご家庭も増えることと思います。早朝保育を行っている保育所自体が少ないという現状、行う保育所が今後増えたとしても、今度は保育士の長時間労働の問題が噴出する可能性も。仮に朝型勤務をして、夕方早く仕事を切り上げられなかったとしたら、その分の延長保育費も考えなければならなくなるでしょう。

・心身の不調が増加する可能性も

今回の「ゆう活」に近い制度として、欧米で行われている「サマータイム」があります。こちらは夏時間として、3月から11月頭までの8か月弱の間、時計を標準より1時間進める制度ですが、時刻の切り替え時期に死亡事故・心筋梗塞などの心身の不調が増加しているというデータもあります。今回の「ゆう活」は、期間は2か月間と短いものの、人によっては勤務時間を一気に2時間前倒しすることになることから、心身に与える影響はサマータイムよりも大きい可能性も懸念されます。

 

長時間労働の是正は日本の労働者の長年の課題となっており、政府の思惑通り残業減少・ワークライフバランスの充実へとつなげられるか、注目です。

 

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2015年8月5日]