2014年度の自殺者数等の統計が内閣府のサイト(※1)にて公開されています。自殺者数は25,427人。うち男性17,386人、女性8,041人となっています。割合にして約7:3で男性の自殺者数が多いことが分かります。この傾向は2014年度に限らず、ここ15年以上続いています。

自殺者の割合は圧倒的に多い男性ですが、筆者のもとにも相談の多い心の病気に関しては、女性のほうが多いものがあります。

 

うつ病罹患率の男女比較とその理由

心の病気の代表的なものとして「うつ病」が挙げられますが、この罹患率は女性が男性の約2倍とされています。

その理由のひとつに、ホルモンバランスの変動が考えられます。女性ホルモンは月経周期、妊娠・出産、更年期といった人生の節目に大きく変動します。月経前に抑うつ気分を感じたり、情緒不安定や無気力感が生じたりすることで、仕事に影響が出ているケースは多くみられます。

筆者のところにご相談に来られた、契約社員・道子さん(仮名、40代)は、ここ1ヶ月ほど布団に入っても眠れない症状が続くようになりました。きっかけは育児をめぐる夫とのトラブル。「俺のほうが稼いでいるのだから、お前はもっと育児をしっかりやれ。子供が学校で叱られるのは、お前の子育てに問題があるんだ!」こんなことを言われ続ける日々が続いた道子さんは、一番理解してほしい家族からの思わぬ言葉にショックを受け、筆者に相談にいらっしゃいました。

 

女性を取り巻く環境の影響

道子さんの例のように、男女比の差の理由として女性を取り巻く環境も影響していると思われます。特に家庭と仕事を両立している女性の場合、「自宅での家事分担で自身に過重な負荷がかかっている」「育児の協力が得られない」といったことも、心身両面におけるストレスにつながります。仕事のストレスだけではなく家庭でのストレスが加わることで、うつ病や摂食障害(過食障害や食欲不振)につながる女性も多いのです。

 

男性の自殺率の高さがピックアップされがちですが、女性ならではの病気のリスクも高いことを改めて知っておきましょう。そして、身近な人からのサポートが得られないようでしたら、私たちカウンセラーに早めにご相談してくださいね。

[執筆: 浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2015年8月29日]

 

【参考】
※1. 内閣府 「平成26年中における自殺の内訳」
※ 写真:Andriy Popov / 123RF.COM、本文とは関係ありません