総務省の調査(※1)によれば、配偶者の転勤を理由に退職する女性は全国で年間6万人に上り、女性がキャリアを継続する上でネックとな ってしまう一つの要因となっています。その時、働く女性はどうすれば良いのでしょうか?

 

■ 人生の優先順位によって分かれる選択肢

一口に配偶者(夫)の転勤といっても、その時の女性側の環境は様々です。状況別に考えてみるといくつかの選択肢があります。

 

・子どもがいない場合:

いわゆるDINKS夫妻の場合、夫が転勤となった場合でも妻のキャリア継続のため単身で赴任するケースをよく耳にします。つまり別居婚の状態でも我慢して、まずは将来の土台となるキャリアを作りたいという方針です。

・子どもが幼児期の場合:

妊娠中~出産後まだ子どもが小さい幼児期の場合は、育児にかなり手がかかるため、やはり家族一緒の生活を優先してやむなく妻がキャリアを中断し退職というケースです。

・子どもが学童期以上の場合:

子どもが学校に上がると、転校に伴い環境の変化による影響が大きくなるため受験などの都合も考え、妻と子どもは転勤についていかないケースも多くなります。

 

このように、子どもの有無や年齢による選択肢の違いの他にも、赴任地が海外だった場合は考慮するポイントが増え、子どもの教育や生活 にプラスの影響が期待できそうな場合は帯同し、治安や教育のレベルなどのリスクが高い国、地域だった場合は、夫のみ単身赴任というご家族も。今後は、子どもの状況だけでなく、親の介護のために居住地を変えられないケースも出てくることが予想されます。

 

■ 企業側の制度充実へ

このような状況の中、昨今働く女性を重要な戦力として考え、制度を整える企業も増えてきました。2015年8月3日号の『AERA』によれば(※2)、地銀64行が手を組み配偶者の転勤により転居した行員を転居先の地銀で受け入れるという取組みを始めた事例や、一定の条件を満たせば復職できる制度などを導入する企業が次々と出てきているとのこと。また、制度になっていなくても、相談があればできる限り転居先の地域に一緒に異動できないか考慮しているという人事部のお話は筆者もよくうかがいます。いざ、夫が転勤となった時には一度相談してみるとよいでしょう。

 

実は筆者の場合は、夫婦で転勤の無い会社に勤務することを結婚生活の条件にしてしています。これは大げさかもしれませんが、もし夫の転勤でブランクができても就職に困らない資格を身につけるなど、自分のキャリアを守る対策は必要となりますので、ピンチに備え中長期のキャリアを考えましょう!

 

[執筆:藤崎 葉子(キャリアアドバイザー),2015年8月17日]

 

【参考】
※1.総務省「就業構造基本調査」平成24年
※2.『AERA』朝日新聞出版 2015年8月3日