今年の10月1日より、共済組合の加入期間が厚生年金の加入期間へと統一されるという「被用者年金一元化」が実施されることをご存知ですか? 筆者は、行政書士であり夫婦関係・離婚カウンセラーでもあるので、今回はこの「被用者年金一元化」が、離婚時における年金分割の請求手続きに与える影響をご紹介します。特に「元夫は公務員」で「離婚はしたけどまだ分割請求手続きは行っていない」という方、参考にしてくださいね。

 

■ 機能は同じだけど、少しお得だった共済年金

共済年金とは、公務員と私立学校の教職員の方が加入する年金をいいます。基礎年金の上乗せであるというその機能は、会社員の方が加入する厚生年金と変わりありません。ただ、共済年金には、同条件の場合で比べると厚生年金よりも少しお得という部分があり、10月から実施される被用者年金一元化には、共済年金と厚生年金の格差をなくす方向で公平性を確保し、国民の信頼を高めることにひとつの狙いがあるようです。

そして、離婚時の年金分割制度とは、離婚後の年金について、より夫婦間の公平に適うように、婚姻期間中の厚生年金・共済年金の保険料納付記録を夫婦間で分割する制度をいいます。

10月から実施される被用者年金一元化によって、年金分割の請求手続きにどんな影響があるのか、見ていきましょう。

 

■ 「離婚はしたけど分割請求はまだ」の方はご注意を!

まず1つ目。これまでは、婚姻期間のうち厚生年金と共済年金の両方に加入していた期間がある人については、日本年金機構と共済組合とにそれぞれに分割請求手続きを行わなければなりませんでしたが、被用者年金一元化後は、一箇所の加入機関で分割請求の手続きを行うことができるように便利になります。

そして2つ目。共済組合に分割請求をする必要のある場合で、婚姻期間の間に夫婦のどちらかに厚生年金の加入期間がある方が、これまでに発行された情報通知書に基づいて按分割合を決定した場合には、分割請求の手続きも9月30日までに行う必要があります。これに当てはまる方が10月以降に分割請求の手続きをする場合には、再度、情報通知書の発行を受ける必要が出てきてしまいますので、「離婚はしたけど、まだ分割請求の手続きはしていない」という方は注意をしましょう。

 

制度の変わり目は、混乱が生じがちです。後で「しまった!」とならないように、「あれ?」と思ったときには、専門機関などに照会するようにしてくださいね。

[執筆:糸瀬 彩湖(行政書士/夫婦カウンセラー), 2015年8月30日]

 

東京都職員共済組合年金保険部年金課「現在発行している「年金分割のための情報通知書」の有効期限は平成27年9月30日までです」
※ 国家公務員共済組合連合会への筆者のヒアリングより
※ 写真:Birgit Reitz-Hofmann / 123RF.COM、本文とは関係ありません