犬、猫、ウサギ…。いま、ペットを飼う家庭が増えています。一般社団法人ペットフード協会 (※) によると、現在犬猫を飼っている人たちにとって、ペットは「生活に喜びを与えてくれる大切な存在」、また「健康面や精神面、及び人と人とをつなぐコミュニケーションにおいても重要な存在であることが明らかになった」そうです。

 

■ ペットに対する意見の相違で離婚話に

ところが、そんなペットが原因で、夫婦間に諍いが起こるケースも少なくありません。「ペットのしつけに対して意見が食い違う」「ペットにお金がかかりすぎる」「家庭のことがあとまわしになる」などを理由に、離婚の話まで浮上してしまうとか。

夫婦問題カウンセラーの筆者のもとに寄せられた主婦Aさんの悩みもペット問題でした。Aさん夫婦に子どもはいません。5年前に犬のトイプードルを飼い始めましたが、夫婦の考え方がことごとく違うので、離婚して飼い犬は自分が引き取りたい、という相談でした。

愛犬は家族の一員という意識から、しつけや食事にも手を抜かないAさんに対し、夫は「ペットはペット、家族とは違う」と頑として譲らないとのこと。「もったいない。なんで犬にそんなにお金を使うんだ!」「ぜいたくすぎる!」と夫が頻繁に声を荒げ、次第にAさんは、夫のことを「愛情が希薄で冷たい人なのでは」と不信感が募るように…。一緒にいるのも顔を見るのも嫌になってしまったそうです。

 

■ かけがえのないペットも法律上は「モノ」扱い

いま、ペットを飼っている夫婦で、離婚原因の2、3割を占めているのがペット問題だと言われています。離婚の際の争点として「どちらがペットを引き取るのか」という問題も大きくなっています。

愛するペットは、わが子と同じような感覚になりますが、動物は、法律上では「モノ」として扱われます。動物愛護法でも飼育している人を「動物の所有者又は占有者」と表現し、法律用語では「離婚に伴う財産分与の問題」となります。維持・管理に要する費用は、わかりやすく「飼育に関する費用」と明記されることが多く、子どもと違って「親権」や「養育費」という用語はありません。どちらが引き取るかは、あくまで話し合いで決めることになります。

 

■ 原因はペットではない場合も

生き物大好き、ペットを家族同然と考えている人がいる一方で、動物嫌いの人もいます。そして、ペットにお金を費やすことや、ペットばかりかまいすぎることを面白くないと感じる人がいるのも事実です。妻があまりにペットを可愛がるので、ご主人がやきもちを焼いているケースもあります。

「ペット離婚」とならないよう、日頃からささいなことまで夫婦で話し合い、歩み寄る工夫を。それも難しい場合は、第三者に入ってもらい双方の意見を整理することから始めてみてください。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー),2015年9月20日]

 

【参考】
※ 一般社団法人 ペットフード協会「平成25年度 全国犬・猫飼育実態調査 ・猫飼育実態調査 結果 」2013 年 12 月
※ 写真:Georgii Dolgykh / 123RF.COM、本文とは関係ありません