女性活躍推進法案が、2015年8月末に国会で成立し、従業員300名を超える企業では、女性管理職の数値を公表することが義務付けられ、各企業その対応に追われているようです。

 

■ 人のマネジメントは得意、でも○○は苦手?

筆者も女性管理職の育成に関わる機会が増えていますが、「管理職になりだがらない、向いていない」などと言われがちな女性達ですが、基本的に真面目で、他人の気持ちや状況を察する力が強い方が多いので、いわゆる管理職に必要な能力の中でも“人事組織マネジメント”の部分はそれほど苦労せず、持ち味を出していける方が多いのではないでしょうか? これは具体的には、チームへの情報共有や、個別の部下の状況把握、指示を出して確実に実行してもらう能力のこと。この領域はコミュニケーション能力の高さがモノを言うため、女性が得意とする方が多いのもうなずけます。

しかし、一方、苦手さが目立つと言われがちな領域は、“事業マネジメント”の部分。こちらは、ビジネスとしていかに業績を上げ、勝てる戦略を実行していけるか、というマーケティング・営業・販売など、お金を稼ぐことに直結する分野です。筆者が研修等でビジネスの現場をシミュレーションしたりケーススタディなどでよく見かける女性ならではのウィークポイントとしては、「数字に弱い」「交渉で戦略的に進めず抱え込む」「モノやサービスの内容やクオリティにこだわり過ぎ、利益・コストに目が向かない」など、より早く取捨選択をして利益に結びつける発想が少々欠けているように感じます。

 

■ まずは営業から

特別に専門的な理系の技術職でない限り、特に文系総合職では、日本企業の伝統的なキャリアパスは、まず「営業」がスタートでした。ごたぶんに漏れず、筆者もキャリアのスタートは営業で、とにかくお金を稼ぐ最前線を経験したものです。当時は向いていないのに苦痛だなとよく思ったものですが、40代となった今となっては、営業を経験しないで、ビジネス全体を把握するのは不可能なのではと思うくらい、いまだにそのスタンスが役立っています。当時、本社のスタッフ部門しか経験せずに女性管理職に抜擢された先輩たちは、支店の営業を一時的に経験するよう命じられていました。自社のサービスがお客様と接触するところを経験することはやはり重要です。

 

女性管理職を増やそうとすると、どうしても営業系の部門よりも本社等のスタッフ系や開発・研究といったモノを作り出す分野に偏りがちです。しかし、管理職になった時には、どんな部門であれ、ビジネスとして成り立つのかという視点も必要です。いざ、管理職になったけれどうまくいかないと感じている方、これから管理職に向けどんな勉強をすればよいか迷っている方は、ご自身の経験値で足りないことを洗い出し、営業的センスを磨くとよいかもしれませんね。

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2015年9月10日]

 

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