働く女性の歴史の大きな一歩かもしれません。30年前の1986年、「男女雇用機会均等法」が成立しました。それ以降、働く女性の支援に消極的な政権が続きました。女性のキャリア史の長い氷河期を経て8月末に成立したのが、企業に女性の登用を促す「女性活躍推進法」(※)です。本コラムでは、「女性の活躍推進法」のポイントと女性への影響について解説します。

 

■女性活用の状況が数値として公開されるのが大きなポイント

「女性活躍推進法」では、従業員が301人以上の企業に女性の活躍推進に関連する数値の公開を義務付けています。(300人以下の中小企業では「努力目標」)

情報公開が義務付けられている項目は以下の通り。

  • 1.採用者した社員に占める女性の比率
  • 2.管理職に占める女性の比率
  • 3. 労働時間の状況
  • 4. 勤続年数の男女差
  • 5. 上記数値等に関する今後の数値目標

これらの数値が、来年の2016年4月には一般公開されます。

では、この法案の成立によって企業で働く女性にはどのような影響があるのでしょうか?

 

■ 「仕事と子育てを両立しやすそうな会社」かどうか、の判断材料となる

子育て世代の女性が転職活動をする際、仕事の内容や給与以外に、仕事と子育てを両立できそうな会社かどうか、が重要なチェックポイントとなります。企業が上記の情報を公開するようになれば、労働時間の状況から、残業が多い会社かそうでないかを評価できますし、女性の採用比率から、女性の採用に積極的なのかそうではないかも判断できます。さらに、管理職に占める女性の比率から、企業の意思決定に女性がどれだけ影響力を持っているかや、自分が将来管理職になれる可能性が大きいか小さいかも推測できます。

すでに大企業を中心に女性管理職の目標数値が公開され始めていますが、目標を達成するために、子育て中の女性社員にも白羽の矢が立てられ始めていると聞きます。実力のある女性が抜擢されること自体、素晴らしいことではありますが、長時間労働の環境では管理職になりたくない、という女性の本音も聞こえてきます。

 

転職活動の際には、女性活躍推進法にそって企業が公開する数値とは別に、長時間労働の改善や、多様な人材が活躍できるようにするために、ワークスタイル変革として、どのような取り組みを行っているのかも合わせてチェックするようにしたいですね。

[執筆:椎葉 怜子(働き方コンサルタント/キャリアカウンセラー), 2015年9月15日]

 

【参考】
※ 厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
※ 写真:Sergey Nivens / 123RF.COM、本文とは関係ありません