夫婦カウンセリングを行う筆者のブログへの流入で、「離婚で壊れる子どもたち」という検索キーワードが目立っています。以前、棚瀬一代さんの『離婚で壊れる子どもたち 心理臨床家からの警告』(※1)という本を紹介したためですが、今もなお上位に挙がるということは、「親の勝手で離婚していいのだろうか」、「わが子にどう影響するのだろうか」と思い悩む人が多いことを表しているのだと思います。離婚問題に悩む子を持つ親の苦しい心情がひしひしと伝わってきます。

 

親の離婚で受ける影響を年代別に考察

このタイトルには、かなりのインパクトがありますが、第二章「子どもは親の離婚にどう反応するのか」では、子どもたちにとって、親の離婚はどのような心理的影響を及ぼすのかを、著者の心理臨床における体験と研究結果をもとに、子どもの発達段階(年代)別に考察されています。

離婚を考えるとき、親は自分のことでいっぱいになりがちですが、子どもも不安な気持ちを抱えています。それまで一つ屋根の下で一緒に暮らしていたのに、家族が離ればなれになってしまうことは天変地異にも等しいくらい大きな出来事です。とくに幼い子どもにとっては、親は世界そのもの。母親と父親の不仲を目の当たりにして、「両親の離婚は自分のせいではないか」と思いこんでいることもあります。

 

傷つきやすい子どもの心のケアも忘れずに

筆者のもとにも、「子どもを連れて離婚したい」という相談が多く寄せられますが、「不安と寂しさでいっぱいの小さな心に対するケアも忘れないで」とお話しています。

「今からでも間に合います。○○ちゃんのせいではないから大丈夫よ、と話して安心させてあげてくださいね」と声掛けすると、改めてハッとし、わが子の心情に思いを寄せる方も少なくありません。

著書には「日本では、早い時期にカウンセラーの援助を求める人は少なく、子どもが不登校になったり、家や学校で深刻な問題が出始めてから初めて第三者に援助を求めることが多い。しかし、問題が深刻にならないうちに援助を求めることが、離婚によって子どもに与える傷を最小限にしていく上で非常に大事なことであると思う」と書かれていますが、筆者もまったく同感です。

少子化が進行している日本にとって、子どもは社会の宝物です。夫婦が別々の道を歩むことになったとしても、これからの人生が誰にとっても幸せでありたいもの。子どもの心の傷はできるだけ最小限にとどめてあげてくださいね。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2015年9月25日]

 

【参考】
※1. 棚瀬一代(2010)『離婚で壊れる子どもたち 心理臨床家からの警告』光文社新書
※ 写真:dmitrimaruta / 123RF.COM、本文とは関係ありません