40代を超えると、知人が“がん”になったという話を聞く場合も出てきます。日本人の2人に1人はがんになる、と言われるほど多い病気ですが、現在では、がんイコール死、ではなく、生命は助かり治療後に社会復帰する人もたくさんいます。もしあなたが、がんになったら仕事をどうしますか? 今回は、そんな時に役立つ情報をご紹介したいと思います。

 

■ できるだけ仕事を継続する方向で考えよう

実際に、がんに罹った方の話を聞くと、入院して手術を受ける前に、がんと診断された段階で退職したとよく耳にします。やはり周囲に迷惑を掛けることを気にしてしまうようです。ですが、キャリアコンサルタントの立場から強くお勧めするのは、できるだけ仕事を継続することです。

がん治療には高額な医療費を必要とする場合もあり、手術だけではなく、術後の治療費も含めて収入を得る手段を持っておいたほうがよいでしょう。 独立行政法人国立がん研究センターのデータによれば、がん患者の生存率は全体的にはおよそ7割程度に向上しています(※1)。通院で治療するケースも増えていますので、長期の生活を考えたほうが賢明です。少なくとも、退職を考えるのは、治療の見通しが立ってからにしたほうが良いですし、治療を受けながら仕事を辞めないようにするにはどうしたらよいかを考えることが大切です。

 

■ 仕事を継続したい人のための、サポート制度とは

そんなときに、役立つ制度も登場してきています。

2015年7月、横浜市立市民病院では社会保険労務士による相談が始まりました。院内のがん相談支援センターで月1回、治療や休職の際に利用できる手当や給付金の情報、会社にどう伝えたらよいか等の相談を無料で受けることができます。このような社労士の相談窓口は増加傾向にありますので、住んでいる自治体のサポート体制がどうなっているか、公的な支援をまず調べてみましょう。

がん保険に事前に加入して経済的な準備をしておくこともできますが、高額な医療費は健康保険でも申請によってかなりの給付を受けることが可能です。様々な制度を把握しておいてください。

また、企業によっては病気の休職や治療、療養のサポート制度がある場合も。健康保険組合の制度や、就業規則の内容もしっかり調べて、上司や人事総務に相談しましょう。大切なのは遠慮したりあきらめたりせずに、「治療と仕事を両立させよう」という意志を持つことなのです。

[執筆:渡部 幸(コーチ/キャリアコンサルタント), 2015年9月22日]

 

【参考】
※1. 独立行政法人国立がん研究センター「3.生存率の推移」より
※ 写真:Alexander Raths / 123RF.COM、本文とは関係ありません