9月になり、残暑もおさまってくると、いよいよ本格的な秋の到来ですね。秋といえば「読書の秋」ということで、今回は「離婚」が描かれている童話をひとつご紹介します。ご自身の離婚を、幼いお子さんにどう伝えたらいいのか……。もしそんなお悩みをお持ちでしたら、何かヒントが得られるかもしれません。

 

■ 今は、文庫でも楽しめる「モモちゃんシリーズ」

離婚が描かれている童話とは、あの有名な児童文学作家の松谷みよ子さんが著者の「モモちゃんシリーズ」です。筆者も幼かった頃、「モモちゃんシリーズ」の絵本が何冊か自宅にあり、繰り返し読んだ記憶があります。

しかし、「モモちゃんシリーズ」に離婚が描かれていることを知ったのは、離婚カウンセラーになってからでした。というのも、「モモちゃんシリーズ」は「ちいさいモモちゃん」から始まり、「アカネちゃんの涙の海」で完結するまで6冊にのぼり、筆者が繰り返し読んでいたのは、その中でも前半のごく一部の章が絵本になった数冊に過ぎなかったからです。

「モモちゃんシリーズ」は、今は全3冊の文庫になっていますので、昔より手軽に読み直すことができます。そして、離婚が描かれているのは、文庫では2冊目の「モモちゃんとアカネちゃん」の中でのことです。

 

■ 生き方の違う「歩く木」と「育つ木」

「モモちゃんとアカネちゃん」では、その前半からパパとママの仲が悪くなってきていることが描かれ、そのうちパパは靴しか家に帰ってこなくなります。

そんなパパとの関係に心を悩ますママのところには、とうとう死神がやってくるように……。モモちゃんとアカネちゃんという可愛い子どものためにも、死神に連れていかれるわけにはいかないママは、森のおばあさんのところに相談に行きます。そこで、森のおばあさんは、「歩く木」であるパパと「育つ木」であるママの根っこが小さな植木鉢の中でからまりあって、どちらも枯れそうになっていることをママに告げます。

そして、ママは「歩く木」であるパパと「育つ木」であるママという、生き方の違う二つの木の根を分けることを決心するのです。

 

この「モモちゃんとアカネちゃん」で描かれている離婚は、著者の松谷みよ子さんご自身の離婚であることが「文庫版あとがき」に記されています。

童話とはいえ、大人にとっても十分すぎるほどの読み応えを持つ「モモちゃんシリーズ」。秋の夜長に読まれてみてはいかがでしょうか。

[執筆:糸瀬 彩湖(行政書士/夫婦カウンセラー),2015年9月29日]

 

【参考】
※ 松谷みよ子(2011)『モモちゃんとアカネちゃん』講談社文庫
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