街で腕を組んで歩いている母娘、時々見かけます。なかにはお揃いのTシャツを着ている親子もいて、友達感覚という言葉がぴったりの雰囲気。娘は学校のこと、友人、部活、彼氏、すべてを母親に話すため、母親は娘の交友関係についてはほとんど把握しているという状態。

こんな母娘の関係。仲がいいに越したことはないのですが、それがあまり緊密になるとトラブルに発展する場合もあるのです。

母娘関係改善カウンセラーの筆者に寄せられる相談の中には、母娘があまりに近い関係だったことから、母親が娘の彼氏に好意を抱くというケースがありました。このような話はめったにないと思われがちですが、実はそうでもないのです。

 

■ 若い頃に戻ったように錯覚してしまう母親

関東地方で、両親と妹と暮らす大学生のB子さん。母親とは友達のような関係で、学校、友人のこと、すべてを話していました。大学に入って彼氏ができたB子さんは、早速、母親に紹介。母親は、息子がいないせいか、彼氏が自宅に来ることを喜び、手作り料理でもてなしてくれました。

B子さんは、デートに着ていく服を選ぶときも母親に相談していたと言います。そのうちに、母親の方から次のデート場所はどこがいいとか提案してくるようになり、まるで自分が行くかのように熱心にネット検索をするようになったのです。さらに、彼氏が来る日は母親も念入りに化粧をし、派手な服を着るように。彼の前でいそいそと動き回る母親に嫌悪感をもったB子さん。「今は母親がうざいと感じます」と言います。

 

母親がいつもよりおしゃれをするのは、彼氏に娘のことをよく思ってもらいたいから、自分もきれいにしようという親心かもしれません。しかし、母娘が友達感覚のような関係でかなり密接な場合、母親は娘を自分の分身と思ってしまうことも。つまり、娘が楽しそうにしているのを見たり聞いたりしているうちに、母親自身が、若い頃に戻ったような錯覚をすることもあるのです。このような場合は、彼を自宅に招く回数を減らす、デートの話をするのを少し控えるなどして、母親との間に境界線を設けることも必要です。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年10月26日]

 

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