母娘関係改善カウンセラーの筆者のもとには、母親に関する相談が数多く寄せられます。内容は様々ですが、多いテーマのひとつに、母親の不安症があります。不安症ははっきりした理由がある場合も、ない場合も、強い不安感を持ちそれが持続する症状。平成23年の厚生労働省の調査では、精神疾患で医療機関に掛かった患者数320万人のうち、不安症などが占める割合は約57万人という結果があります。

不安感が増大すると身体症状が出るほか、生活に支障をきたし、対人関係にも影響。とくに母親の不安感が非常に強い場合は、娘を危険から守ろうとするあまりに、行動や人間関係すら制限する傾向があります。

 

■ 子供の頃から危ないと言われ続けて…

千葉県在住主婦のC子さん(29歳)は幼い頃に不安症の母親から、「危ない、そんな所に行くんじゃない」と禁止されることばかりだったといいます。

大学生になっても門限が厳しく、サークル活動をあきらめて、バイトも制限されました。社会人になると母親の不安症はさらにひどくなり、飲み会などもってのほか、休暇で海外旅行へ行こうとしたときも中止させられました。やがてC子さん自身も、職場での人間関係や新しい仕事を任せられる事への不安を強く感じるようになり、出社拒否に。その後、以前から交際していた人と結婚しましたが、妊娠出産後は、喜びよりも育児不安が強いことからカウンセリングに来られたのです。

C子さんのようなケースでは、母親の「人生、何事も大変」といった不安感が刷り込まれてしまい、“生きることには困難が伴う”と無意識に思い込んでいる可能性があります。その場合は、人との付き合い方にも自信がもてず、行動範囲をせばめることになります。さらに自分が親になったとき、心配のあまり子供の活動を制限する恐れも……。

 

不安症の連鎖を止めるためには、一度、ご自身の感情と向き合ってみましょう。人に対して、あるいは物事に対して、強い不安感があるのか。そこには、思い込みによる思考パターンが隠されているかもしれません。それを探し出すために、カウンセリングを受けてみる方法もあるのです。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年10月22日]

 

【参考】
厚生労働省『みんなのメンタルヘルス』「精神疾患のデータ」
※写真:Oleg Dudko / 123RF.COM、本文とは関係ありません