出産後は、急に泣きたくなったり悲しくなったり、気分が落ち込んだり、と心が不安定になりやすい時期です。これは、妊娠出産時のホルモンバランスの急激な変化に起因すると言われています。心と体は比例の関係、その変化は心にも大きな変化をもたらします。

産後の心はコントロール不可能で当然。当然とはいえ、不安定な気持ちを日々抱えて生活するのはしんどいものです。そこで今回は、その処方を解説していきます。

 

■ ネガティブな感情と、どうお付き合いしていますか?

心がざわついたり、怒りや悲しみ等のネガティブな感情が湧き上がって来た時、どう対処していますか? ネガティブな感情は、時として苦しいもの。それらを埋没させたくなる気持ちはとてもよくわかります。しかしながら、ネガティブな感情を切り離そうとしても切り離せなかったり、より一層苦しくなった経験はありませんか? 今回は少しだけ視点を変えてみる方法をご紹介します。

 

■ 感情といい関係をもちましょう

心がざわつき、怒りや悲しみ等のネガティブな感情が湧き上がって来たら、それらに「こんにちは」と話しかけてみましょう。初対面だけれども親しくなりたい相手に接する気持ちで、挨拶をしてみましょう。挨拶は感情とのいい関係構築の第一歩です。

 

■ あるがままを感じましょう

挨拶をすませたら、イメージの中で感情のそばにそっと座ってみましょう。そして、ネガティブな感情を「私の一部が○○と感じているのだね」とゆっくりと言葉にしていきましょう。結論は出す必要はありません。ポイントは、100%肯定して受け止める優しい視点で行うことです。あなたの感情に寄り添い、それを言葉にしていく。それだけでいいのです。これだけでも最初に感じていたもやもやが消失し、自分に優しい気持ちになれるのです。

この手法はフォーカシングといい、シカゴ大学のユージン・ジェンドリンが1960年代初頭に体系化したものです。筆者も、カウンセリングの現場ではよく用いる手法で、カウンセリング後は「たったこれだけのことなのに不思議と心が軽くなった」「すっきりしました」という感想が出てきます。フォーカシングの手法が優れている所は日常生活でも気軽にでき、セルフケアが可能な手段だということ。ご興味のある方は一度、フォーカシング関連の書籍を読んでみることをお勧めします。

[執筆:久保木 惠子(コーチ), 2015年11月8日]

 

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