安倍首相は東京都内で開かれた、読売国際経済懇話会での講演で、待機児童を解消するため、2017年度末までに40万人分を拡充する目標を、50万人に増やす考えを表明したそうです。また、「希望出生率1・8」の達成に向けて、妊娠・出産費用や子育て世帯の家賃負担の支援を拡充する方針も示したそうです。2017年度末となるとあと一年半。本当に増やせるのでしょうか?

 

■ 首相は本気でも、現実は…

安倍首相はこれまで一貫して、女性の活躍についての重要性を訴えてきました。そのため、女性の労働力を確保しようと待機児童に関しての関心も高いようです。元々は、2017年度末には定員を40万人に拡充しようとしていました。それを10万人増やし、50万人に増やすとのことです。

他にも出生率を増やすための政策として「希望出生率1・8」の達成に向けての方針も示しました。少子高齢化に歯止めをかけることも力を入れようとしています。

首相は本気で対策をしようと思っている様子。しかし、首相が思っているのと現実は少し乖離がありそうです。

 

■ 乖離はどの程度なのでしょうか?

定員を増やすために必死で保育園の数を増やしていますが、現状はなかなか厳しい状態です。厳しい理由は、保育士の数が足りなかったり、子どもの声は騒音にあたると考える近隣の方に保育園設置の理解を得られるまで時間がかかったりしているため、保育園を作るのに、時間がかかっている点もあります。

また、子どもを預けて働きたいと思っていたけれども、待機児童数が多いという理由から保育園の申込みすら諦めていた方々が、もしかすると入園できるかもしれないと思って申込みをしたり、都心部の働く女性が増えたりという背景もあり、本年度4月の待機児童数は昨年に比べて増えたという現実があります。

 

首相が、待機児童解消のために積極的なのは良いことですよね。一人でも多くの待機児童が解消されますように。

[執筆:三木 育美(保育情報アドバイザー), 2015年11月23日]

 

【参考】
『YOMIURIONLINE』「首相「保育定員50万人増」…17年度末までに」2015年11月7日
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。