夫婦問題のカウンセリングを行う筆者は、セッションに入る前に、カウンセリングシートへの記入をお願いしています。

このシートには、現在の状況を示す記入欄があり、「性格の不一致」「価値観の相違」「浮気」「セックスレス」「借金」「暴言暴力」「酒乱」「ギャンブル」「宗教」などの項目が並んでいるのですが、相談者のチェックでとくに目立っているのが「価値観の相違」と「性格の不一致」です。

 

■ 夫婦の価値観は違って当たり前

「価値観の相違」や「性格の不一致」という言葉、離婚理由としてもよく挙げられますが、よくよく考えてみると、抽象的で漠然としていますよね。

そもそも夫婦は、生まれも育ちも違う他人同士。双子の兄弟姉妹でさえ、性格が同じことはないのですから、他人同士の価値観がぴったり合うはずがありません。多少似ている点はあったとしても、性格や価値観は違って当たり前なのです。むしろ、相手に自分との違いを見つけたからこそ、尊敬したり、魅かれあったりしたのではないでしょうか。

 

■ ほとんどの場合「意思疎通の不足」が原因

本当の理由はそこにはなく、別のところにありそうです。

カウンセリングの現場で筆者が感じるのは、ほとんどの場合、「意思疎通の不足」です。要するに、コミュニケーション不足です。夫も妻も「自分が正しい」と信じているところがあり、主張が強すぎることから口喧嘩に発展しまうのですが、伝えたつもりでも相手が自覚していなかったり、言いたいことが正確に伝わっていないこともあります。いい加減な言い方やふざけながらの冗談めかした言い方では、相手に正しく理解してもらえません。

単に話し方や言葉選びのテクニック不足ということもあるので、自覚のある方は、「相手に伝わる話し方」「言葉の使い方」などの関連書籍を熟読することをお勧めします。

 

■ 「穏やかな話し合いができる関係」が理想

共同生活をしている以上、そして、運命共同体でもある結婚生活を送っている以上、歩み寄りや折り合いをつけるための話し合いは必要です。理想は、「穏やかな話し合い」ができる関係です。ポイントは、お互いの考え方の違いを認め、いったん受け止めこと。そして、何の目的で話し合っているのかを意識すれば、対立関係になることはありませんよ。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2015年11月22日]

 

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