夫婦関係カウンセラーとして、ご夫婦のお話をうかがっていると、相手の言葉をフラットに受け止めるということは、思っているほど簡単ではないことに気づかされます。夫婦の関係がこじれている場合には、相手の言葉をフラットに受け止められないために関係悪化に拍車がかかってしまうこともあります。

 

■ 相手の言葉から読み取っていたのは、自分の感情かも…

人は何気ない会話やメールの文章などから。それを発した人の感情を読み取っています。でも実は、その読み取った感情は、往々にして読み手である自分の感情をも反映しているのです。

例えば、関係が良好な相手から来た「おはよ」という何気ないメールの一言に相手の愛情を感じたという場合、それは読み手である自分の相手に対する感情を感じているという面もあるわけです。

この例のような場合には、自分の感情を反映させて相手の言葉を受け止めることに、さほど問題はないかもしれません。ですが、関係がこじれているような場合には、自分の感情を反映させて相手の言葉を受け取ってしまうと、相手が込めてもいない悪意や嫌悪をそこに感じ取ってしまうようなことも起きてきます。

 

■ 相手の言葉をフラットに受け取れていないことは、自分では気づきにくい

それがエスカレートすると、相手が口にした単なる質問やただの感想からも、相手の悪意や嫌悪を感じ取ったりするようになります。そうなると、言葉を発すれば発するだけ、お互いへの誤解は増していき、加速度的に関係は悪化していきます。

実際に、そのような状態に陥ってしまうと、カウンセリングによって、相手と自分の言葉の受け止め方についてフィードバックを受けることで「はっ」としてそのことに気づかれる方はいらっしゃいます。ですが、自らそのことに気づくのは難しいのではないかと筆者は感じています。

 

自分の感情を反映させて相手の言葉を受け取っていると、自分で気づくのは難しいもの。これがエスカレートしていくのを防ぐ自衛策としては、相手と話したり、相手からのメールなどを読んだりしながら、自分が興奮や緊張でドキドキしてきていることを感じた場合には、いったんそこから離れることです。相手の言葉を人に話したり読んでみてもらったりして、他の人はそれをどう受け取るのかを確認してみるのもいいでしょう。

自分はもしかしたら……と思われたなら、様々なケースを目にしているカウンセラーに相談してみるのもおすすめです。

[執筆:糸瀬 彩湖(行政書士/夫婦カウンセラー), 2015年11月25日]

 

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