忙しいという字は、心を亡くすと書きます。普段、私たちは、この「忙しい」という言葉を容易に使って日々を送っています。確かにするべきことが多いし、情報はどんどん入ってきて目まぐるしく状況も変わってしまうので仕方のないことかもしれません。一日が終わる頃になって、やっと一息つけるということもあるでしょう。

そんな日常では、じっくりと味わう楽しみを忘れてしまっているように感じます。味わうというのは味覚だけではありません。五感で味わうという意味です。

 

■ 無意識の動作をあえてゆっくり行ってみる

筆者は企業研修などで、ストレス対処法についてその必要性と重要性をお伝えすることがありますが、実は、あえて「ゆっくりとした動作を行う」ことも、緊張がほぐれ、ちょっとしたストレス対処法になるのです。

例えば、朝起きたらコップ一杯の水を飲むですとか、お風呂上りにビールを飲むような時、その動作をゆっくり行ってみてください。飲んだ水やビールが喉を通っていく感じや、その味を「どんな感じかな?」と味わってみるのです。いつも同じことを続けていると、動作も無意識になり、味わうも何もあまり感じなくなってしまいます。だからこそ、普段無意識にやってしまう動作をゆっくり行ってください。そして、五感を使って味わってみるのです。

 

■ ちょっとした「非日常」を演出する工夫を

他にも通勤など毎日歩いている道を、いつもよりかなりスピードを落として歩いてみましょう。季節の移り変わりが目に入ったり、寒さや暑さを肌で感じることができるはずです。いつもの近道ではなく、ちょっとしたまわり道をしてみるなどもお勧めです。あなたの五感は何をどのように感じるでしょうか?

 

このように考えると、いつもと同じ日常を、ほんの少しの工夫で「非日常」にできる工夫はたくさんありますね。たまには「非日常」を演出してみるのも、ストレス対処には有効ですよ。

[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー), 2015年12月18日]

 

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