筆者は不妊治療の経験をオープンにしているため、妊活や不妊治療についても相談を受けることがあります。不妊治療は精神的、肉体的な辛さはさることながら、治療が高度になるにつれて保険適用外の治療が増え、金銭面でのストレスも大きくなります。本コラムでは、不妊治療を視野に入れていらっしゃる方に向けて、不妊治療をお金の面から支えてくれる、国や地方自治体の助成金制度をご紹介します。

 

■ 国の助成金は、“体外受精と顕微授精”が対象

不妊治療は大きく分けて、一般不妊治療と呼ばれるタイミング法・人工授精と、特定不妊治療と呼ばれる体外受精・顕微授精に分類されます。国の助成金事業は、高額な医療費がかかる特定不妊治療(体外受精・顕微授精)の費用の一部が助成される仕組みで、各都道府県によって運営されています。

 

■ 助成金の申請には“所得や年齢”に制限がある

助成金の申請には所得制限あり、夫婦合計の所得が730万円未満であることが条件です。また、2016年4月以降は妻の年齢が43歳以上で開始した治療については対象外とのこと。国の助成金制度は、対象年齢や助成の上限回数などが複雑な構造になっているので、詳細はお住まいの都道府県のサイトでご確認下さいね。

 

■ 助成金の申請は速やかに

初回の申請には、医療機関に発行してもらう受診証明書のほか、領収書のコピー、戸籍謄本、住民票、所得を証明する書類などの提出が必要となり、申請準備に意外と時間がかかります。申請期限に遅れないよう、治療が終わり次第、速やかに書類を提出するようにしましょう。

 

■地方自治体の不妊治療助成金もチェックしてみよう

これまで解説してきた国の特定不妊治療費(体外受精・顕微授精)の助成金制度とは別に、独自に不妊治療の助成金制度を運営する地方自治体が増えています。例えば、東京都港区(※1)や大阪府高槻市(※2)、静岡県焼津市(※3)には、所得制限を設けない特定不妊治療(体外受精・顕微授精)の助成金制度があります。また、東京都品川区(※4)、広島県福山市(※5)、愛知県名古屋市(※6)のように一般不妊治療(タイミング法、人工授精)の助成金制度を運営する地方自治体も増えています。

 

不妊治療の助成金制度の存在は、意外と知られていないようですが、助成金制度をうまく利用して、不妊治療のストレスを少しでも減らしたいですね。

[執筆:椎葉 怜子(働き方コンサルタント/キャリアカウンセラー), 2015年12月27日]

 

【参考】
※1. 東京都港区「港区特定不妊治療費助成」
※2. 大阪府高槻市「不妊に悩む方への特定治療支援事業」
※3. 静岡県焼津市「焼津市特定不妊治療費助成金交付について」
※4. 東京都品川区「一般不妊治療費助成事業」
※5. 広島県福山市 一般不妊治療費助成事業
※6. 愛知県名古屋市 名古屋市一般不妊治療費助成事業のご案内