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自分を責める人は要注意! 攻撃する側にある心の課題
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自分を責める人は要注意! 攻撃する側にある心の課題

ある特定の人物による「パワーハラスメント」とも言える言動によるメンタルヘルス不調のお悩みをうかがう機会が増えてきています。皆のいる前で大声で叱責したり、人格を否定するような発言をしたりとやりたい放題のようです。

しかもある1人へのハラスメントというわけでもなく、数人の部下に対しても同じようなハラスメント言動があるとのこと。ですから、自分以外の部下が叱責されていても、いつ自分が同じ立場になるかわからないため、仲間をサポートすることもままならないわけです。これではその職場全体の雰囲気がよくないばかりか、業績にも影響してしまいますよね。

 

■ 攻撃してしまう人の心理とは

攻撃してしまう人の心理をひと口では言えません。ただ、このようなタイプは一見、自信満々に見えても、実は「自信がない」「コンプレックスを持っている」場合も。そのため、常に不満や怒り、そして嫉妬の気持ちを持っている可能性があるのです。

実際に叱責してしまう相手への不満もあるかもしれませんが、自分自身が日々の生活で満たされていない為にいつもイライラとしているのかもしれません。つまり、これまでの人生や、プライベートでの人間関係や生活に満足し満たされていないという背景があるとも考えられます。

また不平、不満、怒りといった感情のコントロールが不得意だとも言えるかもしれません。すぐカッとなり、感情を表現するのにいつも相手を攻撃するという形になってしまうのです。

 

■ 全て「自分が悪い」と捉えない

筆者のところに、パワーハラスメントの悩みで相談に来られる方は、みな「自分が悪い」と思い込んでいます。「自分のミスが多いから」「何度言われても上手くできない」「成績が悪いから」と。おそらく、実際にそれらの理由で叱責されているのでしょう。さらに、自分で自分を責めていらっしゃる方もいます。できない自分に腹がたち、「情けない」と言われる方もいます。

ですが、部下を指導するのは上司の仕事です。それをいつも「叱責」という形でしかできないならば、その上司にも解決すべき問題があるはず。叱責されたときに自分を責める前に、自分の心を守ることもしっかり行ってほしいと思います。メンタルヘルス不調がある場合は早めの医療受診、ハラスメント窓口などへの相談、カウンセラーへの相談など、具体的な行動を起こしてください。

[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー)]

 

※ Graphs / PIXTA、本文とは関係ありません

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