何か良くないこと、不安なことが起きると、必ず自分の中に生まれる心の中の会話をコーチングの世界では「セフルトーク」と呼びます。この心の中での「ひとり言」に、私たちの行動や感情までもが左右されているとしたら? 今回は、ネガティブな自分を変える近道、「セルフトーク」への働きかけをご紹介します。

 

■ 心の中は常にセルフトークでいっぱい

人は、言葉にして発していなくても、起きている事象や言われた事に対して常に敏感に反応し、心(頭)の中では常に自分との会話が繰り広げられています。「あの人はどうしてこんなことを私に言うのだろう」「明日のプレゼンには絶対失敗したくないわ」等々。これらの感情や行動として表に出る前に沸き出ている自分の中の会話がセルフトークです。コーチングの第一人者・鈴木義幸氏の著書(※)によれば、このセルフトークをマネジメントすることで、自分をコントロールすることができるといいます。

 

■ 働く女性の心の中を満たすセルフトーク

そもそもネガティブなセルフトークが生まれやすい状況は、自分の価値観や世界観つまりアイデンティティが傷つけられたり、揺らいだりする時。言い変えれば、自分の理想やこうあるべきということが思い通りにならない時でしょう。昨今、働く女性達は、自分の理想としたい生き方や働き方と会社や世間からあれこれと期待をかけられることの板挟みになって、常に心場揺らいでいるのではないかと思います。

ワーキングマザーが子育てと仕事の両立で悩み「罪悪感」を感じてしまうことなどは典型的な事例ですね。「こんな子育てでいいのかしら……」、「仕事が中途半端になってしまうわ…」と、頑張っても頑張っても不安なセルフトークが浮かんでしまいがち。そこで、自分の中の心の会話であるセルフトークからまず変えてみようというわけです。

 

■ セルフトークを修正するには

鈴木氏によれば、セルフトークマネジメントの具体的アプローチとして、セルフトークを(1)変える、(2)使う、(3)減らす、(4)なくす、というプロセスを紹介しています。その時のポイントは、自分にとっての不安や不満を発してしまいがちなひとり言を「相手のために何ができるか」という発想に変えていくこと。

例えば、先ほどのワーキングマザーのパターンであれば「子どもは何を望んでいるのかしら?」、「今仕事で貢献できることはなんだろう?」と相手の視点に立位置を変えれば、自分の中のこうあるべきという思い込みから抜け出し、周囲に向けて動けるようになるのではないでしょうか。

私たちは、悩みを解消するために実は普段から、似た立場で悩んだ経験のある人、似た課題を扱う本などから「こんな時はどう考えればいいか?」を探して自分に取り入れているはずです。それを一歩踏み込んで、心のひとり言、セルフトークに積極的に働きかけるところまでチャレンジしてみましょう!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2016年1月31日]

 

【参考】
鈴木義幸(2008)『セルフトーク・マネジメントのすすめ』日本実業出版