筆者が夫婦関係に悩む方のご相談をお受けする中で、しばしば遭遇する「もったいない……」と感じる考え方に「白か黒か」の二分思考があります。「白か黒かハッキリさせないと気が済まない」というのは、サッパリしていて潔くも思えるのですが、その考え方を夫婦関係で徹底すると、つける必要のない「勝ち負け」をつけることになったり、相手を無用に追い込むことになったりしかねず、ストレスが増します。

 

■ グレーなんてない! あるのは黒か白だけ

例えば、夫婦関係の修復に取り組んでいるご相談者様の例です。お話をお伺いする限り、少しづつではあっても確実にご主人の様子が良い方向に変わってきていることが感じられ、ご相談者様本人も関係が良くなっていることを実感しているにも関わらず、「今の状況なら離婚した方がいいのかなとも思ってしまう」といった場合。

その理由が、「10のうち8までは白になった。でも、残りの2が黒に感じられる。だから全体としては黒のまま」というものだとしたら……。

確かに、ここに至るまでの経緯をお聞きすれば、相手のことを、うかうかと「白になった」と信じきれないというのもよく分かるのですが、客観的に見て「もったいない……」と感じるのは私だけではないでしょう。

 

■ 訓練でグレーゾーンは許容できるようになる!

そこで、筆者としては「白か黒か」という二分思考はできるだけ控えた方がいいと、ご相談者様にもお勧めしています。心理学者の植木理恵さんの著書『好かれる技術』の中に、以下のような「白黒キッパリをやめる方法」が紹介されています。

1. 気にかかっている出来事を簡単に紙に書き込む
2. なぜそのようなことが起きたのかの理由を分析し、その妥当性をパーセンテージで記入する
3. 2で思い浮かんだ原因以外の可能性と、そのパーセンテージをねん出する

 

手順に従ってみましょう。

1. ダンナに電話をしたのに出なかった。
2. 浮気相手と会っていたから(100%)。
3. 会議中で出るのを控えた(20%)、電車の中だったから出るのを控えた(20%)、単に気づかなかった(30%)、

このようにやっていくと、当初は100%だった思い込みも100-20-20-30=30%と、100%の黒から30%のグレーに変色していくのです。

 

「白か黒か」の二分思考が、自分達の夫婦関係にも悪影響を及ぼしているのでは? と感じるところがあるようでしたら、このようなグレーゾーンを許容できるようになる思考訓練に取り組んでみるのもお勧めですよ。

[執筆:糸瀬 彩湖(行政書士/夫婦カウンセラー), 2016年1月20日]

 

【参考】
※1. 植木理恵(2010)『好かれる技術 心理学が教える2分の法則』新潮文庫