ここ数年、子供の貧困問題が注目を集めるようになりました。昨年、厚生労働省が発表した統計(※)によれば子供の貧困率は過去最悪を更新したとあります。理由として母子家庭の増加が指摘されていますが、実際は経済的に余裕があっても親次第で子供が貧困状態に陥ってしまうケースもあります。

母娘関係改善カウンセラーの筆者の所には、子供の頃理不尽な理由から貧困を強いられ、大人になって自分に自信がもてず苦しんで来られる人がいます。しかし、育った家庭はというと決して経済的に困難な状況ではなかったというのです。

 

■ 体操着はお下がり、友人の誕生プレゼントも買えない

関東近郊に暮らすA子さん(25歳)の実家は商売をしており、子供の頃は両親が忙しかったため弟、妹の世話、店の手伝いなどをしてきました。中学校入学時、母親は近所でもらった体操着のお下がりを体育の授業でA子さんに着るよう命じました。しかし、それはA子さんが通う学校指定の服ではなかったため新学期からいじめにあうようになりました。

また、友人の誕生会に呼ばれると、母親が誕生プレゼントのお金をくれないため出席を断るようになりました。A子さんは実家が貧乏なのだと思い我慢していました。けれども、今思い出すと家族で旅行に行った事もありましたし、実際商売の規模も大きくなっていたのです。それにもかかわらず母親がお金を出すのを渋ったのは、子供の教育費は最小限で済ませる、お金をかければ甘やかすといった極端な考えが根底にあったからです。

そのため、A子さんは友達づきあいをあきらめ、学校ではなるべく声をかけられないように目立たないようにしていたのですが、大人になった今は自分に自信が持てず職場でも人間関係がうまくいかないと悩んでいるのです。

 

このようなケースの場合、過酷な環境を乗り越えてきた子供の頃の自分を認めてあげる事が大切です。自分を受け容れられるようになると自尊感情がわいてきます。それは、自分に対して必ず大きな自信になるはずです。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2016年2月5日]

 

【参考】
日本経済新聞 「子供の貧困率、最悪の16.3% 厚労省12年調査」2014年7月16日
※写真:altanaka / PIXTA、本文とは関係ありません