2015年12月、メンタルヘルス疾患予防、対策強化などを目的としたストレスチェック制度が施行されました。これに伴い、従業員全員が最低1年に1回は自身のストレスに対し関心を向ける機会をもてることになります。心理カウンセラーの筆者のもとにも、メンタルヘルス研修のご依頼を多く頂くようになりました。今回は心の健康への関心が徐々に高まっている今だからこそ知っておきたい、冬の季節に多くなる「冬季うつ病」について取り上げます。

 

■ 冬季うつ病の特徴とは

冬季うつ病とは、正式には季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder)という病気のこと。秋から冬にかけて抑うつの症状が出て、春や夏になると治まることから「冬季うつ病」といわれています。

この冬季うつ病、普通皆さんが考える「うつ病」とは異なる特徴があります。一般的なうつ病の場合は、眠れなくなったり食欲がなくなったりという傾向が多くみられますが、冬季うつ病の場合は逆に「睡眠時間が長くなる」そして「食欲が増す」傾向がみられます。特にチョコレートなどの甘いものが欲しくなり、太る人も多くいらっしゃいます。

 

■ 冬季うつ病になりやすい人

もともとうつ病は女性のほうがなりやすいとされていますが、冬季うつ病はさらにその割合が高いことが分かっています。女性のほうが男性の3倍~4倍かかりやすいと言われており、そのなかでも特に、妊娠可能な年齢にある女性の割合が多くなっています。

 

■ 冬季うつ病の原因

冬季うつ病の主な原因としては、「日照時間」が挙げられます。

東京から北海道に転居されたA子さん(39歳)は、転居してからしばらくして冬季うつ病を発症。特に冬の日照時間の少なさに驚いたと言います。日本よりもさらに日照時間の少ない北欧では、人口の1割が冬季うつ病と診断されるケースもあるほど、日照時間の多少が影響していると考えられます。

 

■ 冬季うつ病予防への対策

冬季うつ病を予防するためには、意識して日の光を浴びることが大切です。また、運動不足になりがちな季節ですので、寒くてもぐっと我慢し日光浴がてら散歩をし、睡眠リズムを整えるようにしましょう。さらに、ビタミンやたんぱく質を多く含む食事を心がけてください。特にビタミンB6を多く含む青魚やレバー、バナナなどがおすすめです。

 

冬季うつ病は、春から夏になると自然に症状が軽くなるため放置されやすいですが、半年近く辛い思いをするのは嫌ですよね。しかも放置しておくと、季節がめぐっても症状が改善されなかったり悪化してしまったりという危険も。日常生活で取り得る予防策をできるだけ実行しながら、寒い冬を乗り切りましょう。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2016年2月23日]

 

※写真:eugenesergeev / PIXTA、本文とは関係ありません