ストレスといえばどんなイメージを持っていますか? 「ストレスは心身の健康に悪いから、なるべく避けるべき」と思っている人が大半ではないでしょうか。つまり、ストレスは幸せになるための敵、今まで多くの心理学者や医師や科学者たちがストレスについて人々の健康を脅かすものとして伝えてきましたが、最新の研究によってその常識が覆されようとしています!

 

■ ストレスは健康に悪い?

多くの著書やプレゼンで注目を集めているスタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニカル氏。そんなケリー氏の最新の著書『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(※1)によれば、「ストレスは人を成長させ、健康で幸せにする」と説いています。驚くべきことに、これが精神論ではなく、様々な科学的な調査や実験により証明され、本書で紹介されているのです。

「ストレスは健康に悪い」という思い込みが、死亡のリスクを高める調査もあり、この自分の中の思いこみ=マインドセットの持ち方により、体内のホルモンの分泌に影響があることがわかってきました。「ストレスには良い効果がある」と考えるだけで体の状態を左右するのです。

 

■ ストレスを味方につけレジリエンス力を高める

近年、「レジリエンス」という概念がメンタルヘルスにおいて注目され、企業研修の場でも取り入れられています。これは精神的な回復力・しなやかさ・防御力などを表す言葉。困難にあってもくじけず自分を律する力です。現代社会において、外部からのストレスが完全に避けることはほぼ不可能なわけですから、強くしなやかに生きるためには、このレジリエンス力は欠かせません。

例えば、「妊娠中の母親のストレスは胎児に伝わる」ため、注意すべきとよく言われます。ですが、むしろ、妊娠中にある程度のストレスがあったほうが、胎児の脳の発達が優れ、ストレスに対する体のレジリエンス力が高いという研究もあるとのこと。

人はストレスを感じることで、危険や恐怖、強い感情の反応を起こしますが、それにより集中力や意思力、チャレンジ精神などが磨かれて興奮と喜びを呼び起こす脳内物質が分泌され、世に言う「自信」をつけることにつながるのだそうです。

 

最後にもう一つ、筆者が感動したストレスに対する新常識は、「思いやり・絆反応」です。これは、人はストレスを感じると自己防衛に走るということがいわれてきましたが、それだけでなく、仲間を信頼し、寛大になり、自分よりも仲間を守ろうとする勇気が湧いてくるということ。こうして様々なストレスに対する思いこみを変えれば、日々のストレスもどんどんプラスに変えていける気がしませんか? ストレスについての新常識を学び、明日を変えてみましょう!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2016年3月14日]

 

【参考】
※1. ケリー・マクゴニカル(2015)『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』大和書房
※写真: kuro / PIXTA、本文とは関係ありません