ライフスタイル雑誌『FRaU(フラウ)』2016年3月号に掲載された女優の山口智子さんのインタビューがにわかに話題となっています(※1)。インタビューには、「産まない人生」に一片の後悔も無いと潔く言い切る人生観が。今回はキャリア女性にとって悩ましい、子どもを持つことの選択について考えてみました。

 

■ 産んで後悔することはない!?

様々な意見がネット上を飛び交う中、「産まないと後悔する」と世間では言われがちだけれど、産んで後悔することはないのか? との声も。たしかに、さほど子どもが欲しいわけでもないのに、仕事を続けながら子どもを持つと、仕事は一時的に休まなければならず、保育所にもなかなか入れず、両立生活は大変……とネガティブな印象を持っている方も少なくないと思います。筆者も仕事が大変好きでしたので、20代のころは30歳までに第一子をと考えていたものの、30代半ばまで仕事に打ち込んでいました。

自分の体のリミットを考えたこともありますが、それよりも、仕事に対して一つの「やりきった感」を持った筆者は、新たな仕事にもう一つチャレンジするような気持ちで出産に踏み切りました。予想以上に仕事と子育ての両立は大変でしたが、なぜか後悔することは無いのです。子どもは、それまで全く自分が知らなかった感動や幸せを運んできてくれるものでした。仕事や時間に対する損得勘定では測れない領域、次元の違う幸せと苦労というかんじでしょうか。

 

■ ノーベル賞よりも子育ての記憶

仕事で出会った非常に素敵な、筆者の尊敬する女性の金言があります。

科学者である彼女は、子育て期間中に参加したかった海外での学会や書きたかった論文など、仕事面から数え挙げれば、やりたかったのにできなかったこともあると素直に語っておられました。ところが最近、夢に神様が現れ、「今までの功績を称え、あなたにノーベル賞をあげたいが、一つだけ条件がある。その条件とは、子育ての記憶を全て消すことだ」と言ったそうです。そこで彼女は迷いなく、「ノーベル賞は要りません」と答えたとのこと。この話を聞いて筆者は泣きそうになりました。

子どもを持って、キャリアに対して後悔をしないというのはある意味でウソになるかもしれません、ですが、思い出として大切な宝物、本人の気持ちの納得感という意味では、想像を超えるものがあります。ですから、少しでも子どもが欲しいと思う方は臆せず産んで欲しいと思います。

 

ライフイベントについて悩む女性たちは、人と人生を比べずに、自分の幸せの物差しを大事にして産む・産まないの選択を考えてみてくださいね。

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2016年3月9日]

 

【参考】
※1. 『講談社 JOSEISHI.NET』「山口智子が今の心情をすべて告白 | FRaU」2016年2月18日
※写真:わたなべ りょう / PIXTA、本文とは関係ありません