数年前から「ポジティブ離婚」という言葉をよく耳にするようになりました。離婚を人生の再出発とポジティブにとらえ、中には離婚式をしたり離婚旅行をしたりする夫婦も増えているようです。

 

■ すべての離婚がポジティブ離婚であってほしいけど…

夫婦関係・離婚カウンセラーの筆者は、「離婚」は、今よりも幸せになるためにするものと捉えています。ですから、離婚をするすべての夫婦がポジティブ離婚であってほしいと思っています。

離婚式をしたり離婚旅行をしたりするまでいかなくても、「ポジティブ離婚」をするためには、「双方が離婚に前向きであること」、「離婚に対する温度が双方で同じであること」、「2人の間にギリギリ最低限でも信頼関係が残っていること」などが必要になってくると思います。ですが、実際にはなかなか難しいこともあるのです。

 

■ ポジティブ離婚は独りよがりでは進まない

筆者の相談室にも、ポジティブ離婚がしたいと言ってご相談に来られる方や、ポジティブ離婚という言葉は出さずとも、離婚後の清々しい未来を夢想して相談にこられる方がいらっしゃいます。

ですが、そのような方のお話をおうかがいすると、相手には全く離婚する気はなかったり、お互いの話が全く通じないほど信頼関係が残っていなかったりするケースも。とてもじゃないけどポジティブ離婚どころじゃないという状況だったりすることがあります。

そして、そういう場合によく見られるのが、自分はポジティブな選択をしているつもりなので、相手が離婚に全く同意できない状態なのに勝手にどんどん一人で条件を詰めようとするなど、自分の考えばかりが先行するパターン。相手の考えや様子に無頓着になってしまい、ますますポジティブ離婚から遠のいてしまいます。

相手から離婚の同意が得られなければ離婚はできない、というのが協議離婚のルールです。

たとえ、自分にとってはポジティブな選択であっても、相手も同じようにポジティブに捉えているとは限りません。ポジティブ離婚を目指すのであれば、協議離婚のルールを忘れずに、ギリギリ最低限でも残っている信頼関係を壊さないように、独りよがりで突っ走らないことをお勧めします。

[執筆:糸瀬 彩湖(行政書士/夫婦カウンセラー), 2016年3月24日]