女性の上司の方からよく聞くお悩みとして、女性は責任の重い仕事や過去に経験の無い仕事はなかなか引き受けてくれない……という話があります。また、管理職への推薦もなかなか引き受けてくれず、時間をかけて何度も話してやっと首を縦に振るという事例もめずらしくありません。なぜ、女性はこのような反応をしてしまうのでしょうか? 脳科学の観点から考えてみました。

 

■ リスクに敏感で経緯を大事にする女性

筆者は昨年、脳科学を専門とるす黒川伊保子氏監修の「男女脳差理解によるダイバーシティコミュニケーション」のインストラクター資格を取得しました。そこで、男性の脳と女性の脳では、無意識の感性の違いが、ビジネスの場面のちょっとしたシーンにも表れてくることを実感しています。

女性は原始時代から子どもを産み育てる性として、周囲の環境やリスクに敏感で、過去の細かい情報も総動員して物事を考える能力が発達したといわれています。現代において、その能力はきめ細かい気遣いや、物事の背景を鋭く洞察する力としてビジネスシーンでも重宝されているのではないでしょうか。ところがなぜ、このような感性が、上司が仕事を依頼する場面ではすれ違いを生んでしまうのでしょうか?

 

■ 女性に仕事を頼むには「三顧の礼」の精神で

「三顧の礼(さんこのれい)」とは、中国の逸話による故事成語のひとつ。目上の人が格下の者に対して三度も出向いてお願いをすることで、中国で劉備が諸葛亮を迎える際に三度訪ねたとする故事に由来するといわれています。逸話では、天下に名を揚げていた40代の劉備が、若干20代で無名の諸葛亮に対して、上下関係にとらわれずその能力を見込んで丁寧に応対をしたことから有名になったお話です。

女性の脳は、「目標」や「評価」というゴールに有利だからという理屈はあまりモチベーションにならず、「あなたにぜひ頼みたい」「過去のこうした実績や経験を評価して、ぜひお願いしたい」という切り口で丁寧にお願いしたほうが、ヤル気スイッチが入るものなのです。

 

諸葛亮は女性ではありませんが、こうした丁寧な粘り強い対応をしたことで、女性の部下に、責任のある仕事や管理職の打診をうまく承諾してもらえたという成功事例を複数耳にしております。女性部下のマネジメントに悩む上司の皆様は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2016年4月11日]

 

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません