子どもの世界をユーモアあふれる視点から描いている、ヨシタケシンスケ氏の子ども向け絵本。我が家では全作品を親子で楽しんでおります。なかでも「りゆうがあります」(※1)は第8回MOE絵本屋さん大賞2015を獲得し、話題となっている一冊。最新作の「ふまんがあります」(※2)もとても楽しく、子どもの心を感じられる作品です。その魅力はどんなところにあるのでしょうか?

 

■ 子どもにも精いっぱいの言い訳=理由がある

「りゆうがあります」の絵本には、小学校低学年くらいの男の子とお母さんが登場。ハナをほじったり、貧乏ゆすりをしたり、親からすると“しつけ”上、都合の悪い子どもの行動には本当にイライラさせられてしまいます。

働いていると、ゆっくりその理由を聞いてあげる余裕もなく、「また、そんなことして! ダメって言ったでしょ!」と怒るしかないのですが、絵本の中の男の子はよくまあそこまでくだらない言い訳をするもんだと思ってしまうほど、子どもの目線からいろんな理由をお話します。

筆者の6歳の娘も、注意されたことの理由や自分なりの考えを、言われた翌日に切々と語り出すことがあります。考えていることを聞いて欲しい娘の気持ちを、スルーしてはいけないと改めて考えさせられます。

 

■ 子どもから見た親の行動には不満がある

「ふまんがあります」の絵本には、5~6歳の女の子とお父さんが登場します。子どもだけ早く寝なくてはいけなかったり、欲しいものをクリスマスまでガマンしなければいけなかったり、大人はしてもいいのに子どもはダメなこと、に不満を言ってきます。

お父さんがユーモアたっぷりに、少しファンタジーな回答をしても、子どもは半信半疑だったりするところが、面白いのです。父と娘という組み合わせが、前作と違った雰囲気を出していて、イクメンパパにはとてもオススメです。
「ダメなものはダメ」と言うのは簡単ですが、少し想像力をふくらませて説明してあげることも、考える力を育むのに大切なのではないかと考えさせられる作品でした。

5~6歳から、小学校低学年くらいのお子さんをお持ちの方には、親子ともに共感でき、生活習慣について一緒に考えられる絵本として楽しめます。手にとられてみてはいかがでしょうか。

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2016年4月16日]

 

【参考】
※1. ヨシタケシンスケ(2015)『りゆうがあります』PHP研究所
※2. ヨシタケシンスケ(2015)『ふまんがあります』PHP研究所