部下を褒めて育てるという風潮の中、逆に叱るというのが難しくなってきています。ですが、叱るのは、怒るのとは別。相手の成長を願って、行動を変えてもらうために指導することなのです。

ですが、上から目線の物言いは「パワハラではないか?」などと言われることもあり、叱る、指導する時の伝え方に気を使う管理職は多いと感じています。もちろん、普段から信頼関係が十分にあれば問題ありませんが、叱ることを「人格を否定された」と勘違いされてしまっては、こちらも萎縮してしまいますね。

 

■ 叱る時に必要なのはゴール設定

管理職のあなたが、部下を叱る、指導する理由は、先にも書いた通りで「相手に行動を見直し、変えてほしい」からですよね。そのゴールを目指すのであれば、まずあなたがするべきことは、相手の行動に対して自分がどのように感じているかという「感情」を伝えることです。

「困っている」「残念に感じている」などの自分の感情です。次に、具体的な「行動」を伝えます。「だから、○○のようにして欲しい」と依頼するのです。最後に、相手が納得し受け入れてくれたら、感謝を伝えます。「わかってくれて、ありがとう」と。あるいは、相手を勇気づける言葉でも良いでしょう。「あなたのことだから、できると信じていますよ」というような言葉がけをするのです。

1. 自分がどのように感じているか「感情」を伝える
2. 具体的にこのように行動を変えてほしいなどと依頼する
3. 感謝を伝える、あるいは勇気づけの言葉がけをする

この3つのステップが大切なのです。

 

■ 相手が責められていると感じたらアウト!

これらは、アサーシションという伝え方に基づき、筆者がセミナーやカウンセリングでお伝えしている方法です。

逆にNGなのは、頭ごなしに否定する、相手の言い分を全く聞かずに一方的に命令口調で責めたてる、相手が変わって当然という態度で伝える、攻撃的な伝え方です。攻撃的な伝え方は、一時的に部下が言うことをきいたとしても、信頼関係を築くことは難しいでしょう。

[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー), 2016年5月19日]