話題になっているアドラー心理学。最近では関連する書籍を目にすることも多くなっています。アドラー心理学は“勇気づけの心理学”とも呼ばれています。アドラー心理学カウンセリング指導者の岩井俊憲氏は、「勇気づけとは、ひと言でいうと困難を克服する活力を与えること」と定義しています。この「勇気づけ」を職場でどのように活用できるのか考えてみました。

 

■ 「勇気づけ」に必要なのはポジティブワード

まずは自分自身に対する勇気づけです。管理職にもなると、立場上、部下の前で弱音を吐いたり、元気のない態度はできませんよね。ですが、仕事上の責任も増え、管理職になる前と比べてストレスは変わらないか、あるいはもっと多くなりますね。

まわりに相談できるような仲間やロールモデルがいれば別ですが、自分で自分のメンタルを管理することが必要です。そんな時にまずは、自分に対して勇気づけを始めてみましょう。

自分自身にかける言葉はもちろんポジティブワード。自分の性格でネガティブに捉えがちなところもポジティブに言い換えてみるのです。例えば、心配症を慎重である。こだわりが強いというのは、自分のルールを持っているというふうに言い換えるのです。自分に対してふとネガティブな思考がわいて出てきた時は、すかさず、ポジティブワードに変換してくださいね。

 

■ 部下に対する勇気づけの方法

同様に、あなたの部下にも勇気づけをしてみましょう。ここで、部下が何かちょっとしたミスをしたとしましょう。それを「なんで、こんなミスをするかなあ」と責めるのではなく、「同じようなミスをしないために、できることは何ですか」と訊いてみるのです。

その時に部下が答えたら、その答えに対しても、「あなたなら、できると思っているよ」と勇気づけの言葉をかけましょう。そして、「この失敗から学んだことは何か」を共有しておくと、部下との強い信頼関係を築けると思います。失敗に対する貴女の姿勢が、失敗を恐れずチャレンジする、失敗を隠すことなく早めに報告するというようなチーム作りにも役立つでしょう。

[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー), 2016年5月5日]

 

【参考】
岩井俊憲(2014)「人生が大きく変わるアドラー心理学入門」かんき出版, pp.34より