夫婦問題に特化したカウンセリングを行うための資格「離婚カウンセラー」を取得以来、多くのご夫婦の事例を拝見してきました。夫婦は夫婦の数だけ、そのスタイル、考え方が異なることをつくづく感じています。

 

■ 夫婦は「個人」対「個人」の関係

夫婦は「人」対「人」、「個人」対「個人」の関係です。それまで、別々の人生を歩んできた者同士が一つ屋根の下に暮らすことが、たやすいわけがありません。束縛されると逃げ出したくなり、関心を寄せてくれないと執着したくなります。また、相手がしっかりしていれば、依存心が芽生えますし、相手が口うるさい人だと、こちらが寡黙になったりしますよね。あなたにも心当たりがあるのではないでしょうか。

また、その人自身は変わらないのに、配偶者との組み合わせによって接し方や考え方が変わったり、時代の流れやブームに影響されて関係性は変化していきます。結婚生活は相手のあることなので、居心地の良さを求めてお互いにバランスを取りながら、微調整しているのかもしれませんね。

 

■ 「ダブルバインド」= 矛盾した二重のメッセージ

筆者は2016年6月、二級心理カウンセラー養成講座を受講したのですが、プログラム内の「聴き方」と「伝え方」の訓練を受けた際、コミュニケーションの取り方の大切さを改めて実感しました。とくに、「ダブルバインド」は、夫婦間コミュニケーションに必要な学びでした。「ダブルバインド」とは、「言葉と行動が異なる矛盾した二重のメッセージ」のこと。たとえば、口先で「許す」と言っても、本心では「許していない」場合、口調や声、ボディランゲージなどを通して相手に伝わってしまいます。どんなに言葉で取り繕っても、表情や行動に表れてしまうのですね。

人は感情の動物です。うれしい、幸せ、満足、とポジティブな感情がある一方で、嫉妬、不安、寂しい、困る、悲しい、といったネガティブな感情も持ち合わせています。不安な状態のときは、どうしてもマイナスな感情に引きずられてしまう傾向にあり、本人でさえ気づきにくい本心が隠れている面もあります。

 

■ 相手に分かりやすく、ポジティブに伝える

相手を責めたくなるのは、もしかしたらあなた自身が「寂しい」のかもしれません。 相手に対して感情的になるその裏には、どんな自分の感情が隠れているのかを知ることが大切です。

「ダブルバインド」では、こちらの思いは伝わりにくくなるので気をつけて。「(私は) 寂しい」。「だから(あなたが)○○してくれたら、(私は)うれしい」というように、相手にわかりやすくポジティブに伝える習慣を身につけると、相手との関係性は劇的に変化します。

もし、夫婦間がぎくしゃくしていると感じていたら、自分の気持ちを上手に伝える方法を積極的に取り入れてみてくださいね。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2016年7月20日]

 

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません