産婦人科を舞台に、産婦人科医の視点から妊婦とその家族の物語を描いた漫画、『コウノドリ』。その漫画の中で妊娠初期という回があります。

 

■ コウノドリ「妊娠初期」

『コウノドリ』の物語のなかに、妊娠初期に重い「つわり」で苦しむ1人の妊婦が登場します。産婦人科医は彼女に会社を休むことを勧めますが、妊婦本人は「他の人は、つわりくらい我慢して仕事をしているのに、自分だけ休みにくい」と渋ります。そんな妊婦に医者が言う言葉がとても印象的です。

「生まれてくる赤ちゃんは1人1人違います。つわりも一緒です。つわりは軽い人もいて重い人もいて、眠くなる人もいればニオイに敏感になる人もいます。吐きづわりの人や食べづわりの人もいて、働ける人もいれば妊娠悪阻という症状になり入院が必要な人もいます。他人ができたのだから、自分もできるというのは間違っています。他人の経験が当てはまるとはかぎりません。妊娠やつわりは他人と比べるものじゃないんです。」(※1)

 

■ 1つとして同じ物語はありません

妊婦さんを含め子育てママ会う機会が多い筆者ですが、それぞれ違う物語があり、1つとして同じ物語はありません。妊婦の年齢、家庭環境、出産、それら要素からしても、全く同じ妊娠出産はなく、それぞれが人によって違います。また、赤ちゃんによっても違います。1人目の時はつわりがなかったけれど、2人目はつわりがひどく食事を全く受けつけなかった女性もいます。

 

■ 妊娠出産は「自分物差し」を育ているいい機会です

妊娠やつわり、そして子育ては他人との比較という「社会の物差し」ではなく、「自分の物差し」がより大切になって来るように思います。しかしながら、学校や職場では他人との比較で合否や優劣で捉える傾向にあり、「社会の物差し」が大部分を占めます。新しい考え方ですから戸惑って当然かもしれませんね。でも大丈夫、「自分物差し」をゆっくり育てていけばいいのです。

 

コウノドリ先生の言葉通り、現実の世界でもつわりは人それぞれです。他人が出来ているのに自分は出来ないと責めずに、辛いときはまずは自分の体を労わってください。他人の顔色よりも自分の顔色を大切にしてくださいね。

[執筆:久保木 惠子(コーチ), 2016年7月27日]

 

【参考】
※1. 鈴ノ木ユウ(2015)『コウノドリ8』講談社
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません