母娘関係改善カウンセラーの筆者のところには母娘問題に悩む娘、または母親が相談に来られます。母娘問題は母親のことで悩む娘というイメージがありますが、実際は母親の来訪もかなり多く、現在では4割近くになりました。

娘に関する母親からの相談といえば、両者の関係がぎくしゃくしているというのが大半ですが、最近は孫の世話が苦痛になり心身ともに疲労された方からご相談を受けることがあります。2016年6月14日『朝日新聞』朝刊の声欄にも、精神科医の投稿「『孫源病』にならぬよう配慮を」が掲載されています。本文の中で祖母の言葉「私のうつの原因は孫の世話」が紹介されていますが、同じような悩みを抱えている人が増えているのではないでしょうか。

 

■ 鍵っ子で寂しかったと言う娘、孫の世話は当然なのか

睡眠不足が続き食欲も落ちているAさん(65歳)は、毎日夕方になると孫娘(3歳)を迎えに保育園に行きます。職場から帰る娘夫婦の時間が遅いため、孫娘のために夕食を作り食べさせています。それからお風呂に入れ、孫が寝入った頃、娘か、その夫が車で迎えに来る、そんな生活が続いています。

すでに夫は他界し、長年勤めた職場を定年退職したAさんは、自分の娘が仕事と育児を両立させるのがどんなに大変かわかっていたので、孫の世話を引き受けました。ですが、夕方に保育園に迎えに行くため日中の時間が制限され、晩御飯、お風呂の世話も想像以上に大変で、疲労を感じるように。

あるとき娘に、孫の世話が時々つらくなると言うと、「お母さんはいつも、私よりも仕事を最優先していたじゃない。私はずっと鍵っ子で寂しかったのよ。せめてもの罪滅ぼしに、育児を手伝ってよ」とすごい剣幕で言われてしまいました。Aさんは娘がそんなふうに思っていたことを初めて知り、ショックだったと言います。そして、頑張って孫の世話をしているのが空しくなってしまったのです。

 

このような場合は、一度、娘夫婦と孫の世話について話し合いをもった方がいいでしょう。Aさんの心の状態を娘夫婦に知っておいてもらわないと、悪化する可能性もあります。

たとえば週に何回か保育園の延長サービスを利用する、または娘夫婦に仕事を調整してもらって早めに帰れる日を作るなど、Aさんの負担を減らす案を考えてもらうべきです。また、Aさんに対する娘さんの複雑な思いは、言葉にして言ってもらう機会を作った方がよさそうですね。わだかまりを小さくするためにも。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2016年8月11日]

 

【参考】
※執筆者:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちから寄せられる母娘関係の相談にのっている。
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません