筆者が仕事上の悩みについて受ける相談で、最近多くなってきたのが「女性の上司が子育て中で忙しいことで、自分の仕事が思うように進まない」というものです。今回はこのようなケースについて、どう接していくとよいのかお伝えしていきましょう。

 

■ 自己嫌悪になる必要はない

相談内容の多くは、上司が短時間勤務中や、残業が長くできないために、仕事で必要な質問や相談をする時間がないこと。上司が忙しいことは頭では分かっているが、いつもいない、余裕がなさそうな状況にイライラしてしまうなどです。このように思ってしまう自分の心が狭いように感じ、情けなく思ってしまうという声も多く聞きます。

ですが、あなたが自分を責める必要はありません。人間なら、誰しもそういう状況に置かれればマイナスの感情を感じるものです。まずは、いま自分がそう感じているんだなと認めてから、解決していきましょう。一方的に、上司に対して、イライラしている気持ちを伝えたり非難することはしないほうがよいですよね。

 

■ 自分の望ましい状態を決め、そこに向かう方法を考えよう

あなたは、この問題となる状態から、どのような状態になりたいのでしょうか? 次に「自分の望ましい状態」が何なのか、明確にしましょう。この時に大切なのは、主語を「私」にすることです。あなたが変えることができるのは、自分の感情や行動、思考といった自分自身についてのことだけです。残念ながら、上司自体を変化させることはできません。あなたの何を変えることで、もっと楽な状況、もっとやりやすい状況、もっと問題を改善することができるか、フォーカスしてみることがポイントです。

例えば、上司に「私は週1回、少しだけ仕事の報告や相談をする時間を取っていただけないかと思っています」「お忙しいのに、こんなお願いをするのはとても申し訳ないという気持ちと、自分の困っていることを分かっていただけないイライラする気持ちがあって、毎日悩んでいます」など伝えてみるのはどうでしょうか。もしかしたら上司も、日々に紛れて全然あなたの気持ちに気づいていなかったかもしれませんし、「そんなに大変だったのか」と分かってくれる可能性も大きいでしょう。

 

子育て中の女性に職場で協力をしないのは、人としてやってはいけないことでは、と思う必要はありません。部下のあなたの悩みを改善することは、上司の育児の邪魔をすることとは全く違います。遠慮はせずに、でも感情的にならず、一度きちんと上司と向き合ってみてはいかがでしょうか。

[執筆:渡部 幸(コーチ/キャリアコンサルタント), 2016年8月1日]