日本人選手が過去最多41個のメダルを獲得し幕を閉じた2016年のリオデジャネイロオリンピック。今回のオリンピックのテーマとして「多様性」「自然」「喜び」の3つが掲げられていました(※1)。このテーマにふさわしく、今回の出場選手の中で性的少数者(以下LGBT。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった単語)であると表明した数が史上最多だった(※2)と報じられています。

 

■ 「多様性」に関する日本の状況は?

この「多様性」に関しては、日本政府も積極的に対策を進めています。

職場でのセクハラが問題になって久しいですが、厚生労働省は2016年6月に開催した労働政策審議会にて、LGBTもセクハラ対策の対象になるように指針を改正するよう検討を始めました(適用期間は2017年1月1日からを予定)。

一方で、日本の職場におけるLGBTに関する意識はどうなっているのでしょうか。日本労働組合総連合会が全国の20代~50代有職男女1,000名へ「LGBTに関する職場の意識調査」(※3)を実施したところ、次の結果になっています。

  • LGBT(という言葉)の認知率:47%
  • 上司・同僚・部下がLGB(同性愛者・両性愛者)だったらどう思うか:35.0%が「嫌」
  • 上司・同僚・部下がトランスジェンダー(心と身体の性別が一致しない)だったらどう思うか:26.3%が「嫌」
  • LGBTに関するハラスメントを経験/見聞きしたことがある:22.9%
  • 職場におけるLGBT関連のハラスメントは防止・禁止すべき:53.7%、わからない:35.2%、その必要はない:10.1%

LGBTに関する認知度合いもまだ高いとはいえず、職場のハラスメントに関しても対応に戸惑いがみられています。

 

■ 「あいつ、ホモじゃないのか?」はセクハラに

先述の指針では、「被害を受けた方の性的指向又は性自認にかかわらず」当該者に対する職場のセクハラ対象となることが明示されることになりました。何気ない職場での会話に思える「あいつ、ホモじゃないのか?」「彼氏いないの?」などの会話も、LGBTの当事者からするとセクハラになり得るため、ストレスから体調を崩す例もみられます。

 

LGBTは決して珍しくありません。先述の意識調査回答者でも約8%がLGBT当事者でした。LGBT当事者もそうでない方も、それぞれへの理解を深めていくこと、そして相談できる窓口を充実させていくことが今後ますます求められると言えるでしょう。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2016年9月12日]

 

【参考】
※1. 『朝日新聞デジタル』「「私はLGBT」表明した出場選手が史上最多 リオ五輪」2016年8月22日
※2. 『時事ドットコム』「テーマは多様性、自然、喜び=リオ五輪開会式」 2016年8月5日
※3. 『SankeiBiz』「連合調べ LGBTに関する職場の意識調査」2016年8月29日
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません