■ 若年無業者の数は横ばい状態

仕事をもたない若年無業者のことをニートと言います。内閣府の統計によれば15歳~34歳人口に占めるニートの割合は2.1%で、ここ数年、横ばい状態です(※1)。

ニートは社会問題にもなっていますが、仕事につかない、家にいる本人に対し、不安を抱くも家族も多いでしょう。たとえば将来、両親が亡くなり年金や遺産もあてにできないようになると、経済的に困窮する可能性も高くなります。

もし兄弟にニートがいて自分が結婚する場合、婚約者にはそのことを伝えるべきか……。伝えたとしても相手の反応が気になるところです。

母娘関係改善カウンセラーの筆者のもとには、結婚の予定があるのだがニートの兄弟がいるとの悩み相談が寄せられることがあります。

 

■ ニートの弟を婚約者にどのように伝えたらいいのか

都内に両親、3歳下の弟と暮らすA子さん(32歳・公務員)は、来年結婚予定の婚約者がいます。それぞれの両親とも挨拶をすませ、結婚に向けて準備を進めたところなのですが、一つ問題があります。それは無職の弟のこと。大学卒業後に就職したのですが長くは続かず、26歳で仕事を辞めてからは自宅にいるようになりました。

終日自分の部屋にひきこもっているわけでもないのですが、働く意欲は見られません。将来についてどのように考えているのか問いただしても、のらりくらりとかわすばかり。両親は、長男である弟を幼い頃から溺愛し甘やかしていました。

婚約者には弟の事を詳しくは話していないのですが、近いうちに打ち明けるつもりでいます。ところがそれを聞いた母親は、「弟もそのうち働くようになるから、わざわざ話す必要はない」と言うのです。母親はA子さんの婚約者をとても気に入っており、この結婚を何としても成立させたいと思っている様子。そこで、彼が弟の状況を知ったら、娘への対応が変わるのではと思っているのです。

 

しかし、結婚後に弟の真実を伝えたら、かえって二人の関係がぎくしゃくするのではとA子さんは不安を抱いています。こうしたケースでは、A子さんが弟の問題にどこまで関わるべきか、関わらない選択もふまえて、気持ちの整理をすることが大事です。弟はあくまで自分の意思で状況を変えるべきです。行政・民間の相談窓口があるので、本人や両親も利用できます。もちろん、弟や両親から相談があれば可能な範囲で受けることもできるでしょう。

A子さんは来年には実家を出るので、できることの限界を認識し、弟を見捨てるのではという罪悪感をもつ必要は全くないのです。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2016年10月29日]

 

【参考】
※1. 内閣府「子供・若者白書(旧青少年白書)」より