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驚くべき「読書」の効果! メンタルヘルス対策にも
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驚くべき「読書」の効果! メンタルヘルス対策にも

暑さがひと段落付き、普段できないようなことにチャレンジしたいという方も増える季節になってきました。「食欲の秋」「芸術の秋」などとあわせて「読書の秋」という言葉も良く聞かれます。あなたは、「読書」していますか?

 

■ 読書に関する各種調査

総務省が行った家計調査結果(※1)によると、読書(書籍・新聞・雑誌の合計。電子書籍は除く)への年間支出金額は10年前の調査に比べ17.1%減少しています。また、39歳以下では10年間で42.1%の減少ともっとも減少幅が大きく、年代があがるにつれ減少幅は小さくなるものの、各年代ともに減少しているという結果になっています。

少し前の調査ではありますが、2005年の読書時間の国際調査(※2)によると、諸外国に比べて日本は本を読まないという結果になっています。1週間あたりの読書時間を算出すると、日本は4.1時間(調査対象30国中29位)。トップのインドは10.7時間、ロシア7.1時間、フランス6.9時間などと比べても明らかに少ない様子。インターネットの普及などに伴い活字離れも指摘されており、この時間が現在大きく増えているとは考えづらいでしょう。

 

■ 読書がもたらすメンタルヘルスへの効果

読書には、自律神経の中の「副交感神経」と呼ばれる、心身をリラックスさせる働きのある神経を高める効果があるとされています。ストレスが強まると、自律神経のもう片方「交感神経」が高まり心身が緊張し、マイナス思考が続くと、うつ病などに繋がる可能性もありますが、読書にはこのマイナス思考を断ち切る効果が期待できます。嫌な気分になっている現状からいったん離れ、本の中の世界に入ることで意識が変わるからです。欧米では早くから、この読書を活用したうつ病等の治療が行われているほどです。

 

あまり本を読む習慣がないからハードルが高い、という方もいらっしゃると思いますが、何も難しい本を読む必要はありません。たとえば「絵本」などでも十分です。筆者もカウンセリングの一環としてスヌーピーの本を活用していますが、シンプルで本質がわかりやすい分、すっと受け止められるという声があがっています。

この秋は、読書を取り入れてストレスを洗い流してみてはいかがでしょうか。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]

 

【参考】
※1. 総務省統計局「読書への支出-家計調査(二人以上の世帯)結果より」 2015年10月15日
※2. 『BBC NEWS』「Indians ‘world’s biggest readers’」2005年6月27日

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