夫婦問の悩みで特に多いのが「配偶者の浮気」です。夫婦カウンセラーの筆者のもとにも、「夫に浮気されてとてもつらいです」「結婚間もないのに夫が不倫しました」という声が多数寄せられています。

今回は、ある事例を取り挙げて、カウンセラーと弁護士どちらに相談すべきかを一緒に考察してみたいと思います。

 

■ 「どうしても許せなかったんです!!」

ご相談があったのは、夫の浮気問題に悩み、どうしていいかわからなくなってしまったというAさん(20代)。

「夫が会社の部下と浮気していたんです。発覚した時、夫と話し合い、二度と不倫相手と会わない約束をしました。それなのに、隠れてまた女性と会っていたんです……」とこれまでのいきさつを詳しく話してくれました。

Aさんは、夫と不倫相手のことをとうてい許すことができず、夫の会社に乗り込み、友人知人にも暴露し、大騒ぎになりました。夫と不倫女性に慰謝料を請求するため、弁護士にも相談したそうです。

 

■ 夫から「離婚してほしい」と懇願されて……

その後、夫から謝罪があり、今後女性と会わないことを約束したのですが、夫はすっかり元気と自信をなくし、Aさんに「結婚生活に自信がなくなったので、離婚してほしい」と懇願するようになりました。

これはAさんにとって予想外の展開でした。Aさんは、相談の中で「私は離婚する気はないんです。ただ、夫に心から反省してもらいたかっただけなんです」と繰り返し話していました。すべては嫉妬心が起因したもの。夫を懲らしめたいと責め続けた結果、「これ以上一緒に生活できない。離婚しかない」と思わせるまで夫を追い詰めてしまったのです。

感情に任せた行動は、時に取り返しがつかない方向に進んでしまうことがあります。まずは自分の心に問いかけ、本当の気持ちを知ることが大切です。

 

■ 幸せは法律では解決できない

カウンセリングやコーチングの手法を取り入れ、「心もケアする弁護士」として活躍する原口未緒さんは、著書『こじらせない離婚』(※1)の中で、「心の整理が9割、法律1割」と書いています。どんなに多額の慰謝料を相手から取り上げたところで、心の整理がついていない状態では、前向きに再スタートするのは難しいとのこと。

「幸せ」は法律では解決できません。離婚というと、すぐに弁護士と結び付けて考える方が多いようですが、まずはカウンセリングを受けて、本当の自分の気持ちに気づくことが大切です。

カウンセラーは、メンタル面のサポート。弁護士は、離婚に関する手続きなど、法律面をサポートするのが仕事です。専門家は適材適所に利用して、後悔のない人生を歩んでほしいと思います。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2016年11月18日]

 

【参考】
※1. 原口未緒(2016)『こじらせない離婚』ダイヤモンド社