厚生労働省が昨年12月22日に発表した人口動態統計によると、2016年に生まれた日本人の赤ちゃんの数(出生数)が、統計を取り始めた1899年以降、初めて100万人を割り込みました(※1)。超少子化時代を打破すべく、非正規雇用などの経済的環境や、働き方の環境改善に着手をしていますが、果たして経済的時間的問題をクリアーすれば解決する問題なのでしょうか。

 

■ 遊んでも世話をしない父親

中京大学の松田茂樹教授が、育児を「遊び」「世話」に分けて分析したところ、興味深い結果が得られました。育児をする父親たちは、子どもとの「遊び」はよくするけれども、子どもの食事の用意や洗濯などの「世話」はあまりしない、という傾向があることがわかったのです。

さらに、父親の労働時間が比較的短い場合、子どもと「遊ぶ」回数は増えても、「世話」の回数は増えないことも報告されています。父親たちは時間的に余裕があっても、必ずしも食事の準備や洗濯、オムツ替えなどを多くするわけではないのです(※2)。

 

■ 育児は妻の担当、レストランでの親子連れ

筆者が家族で近所のレストランに行った時のこと。1歳位の子どもを連れた夫婦が、隣の席に座りました。テーブルの上に手を伸ばしたり、叫んだりと、1歳位の子どもはとかく好奇心旺盛です。妻はそんな子どもを片手で抱っこし、あやしながら食事を取っていました。

一方、夫はというと携帯電話を見ながら食事をし、食事を終えても相変わらず携帯を操作しています。妻が子どもを抱えながら食事をしているにも関わらずです。これはいつものことなのか、妻は夫に子どもの世話を頼むことなく食事を続けています。育児は妻の担当、自分の担当ではないとの認識なのでしょうか。

妻1人が育児を担う状況では少子化が解決するわけもない、と思った光景でした。
日本男性の家事育児への低い参加率が産後クライシスの原因になっているのは周知の事実です(※3)。経済的環境、仕事環境の改善もさることながら、意識の改革も重要な要因と筆者は考えています。

[執筆:久保木 惠子(コーチ), 2017年2月23日]

 

【参考】
※1. 人口自然減10年連続…出生数、最低の98万人(読売オンライン)
※2. 父親たちは育児を「しない」のか「できない」のか(藤田結子 / 明治大商学部教授)
※3. 産後クライシス”ひょっとしてあなたも?!(NHK生活情報ブログ)

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません