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母親の世話が重い… 娘への執心をそらすには?
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母親の世話が重い… 娘への執心をそらすには?

母娘関係改善カウンセラーの筆者のところには母親に関する悩みを抱えた娘さんが来られますが、この時期とくに多くなる相談があります。それは、会社の転勤や大学入学に伴って一人暮らしを始めるために兄弟が家を出たので、母親の娘に対する関心が一気に加速した、というものです。

■ 春、家族環境の変化で母親の関心は…

兄弟が家を出るまでは、母親は食事の世話から洗濯物、部屋の掃除、頼まれればちょっとした買い物など、喜々として用事を引き受けていたのに、ある日突然やる必要がなくなってしまったのです。気の抜けたような顔をしていた母親ですが、ふと気がつくとまだ家には娘がいた。そこに再び喜びを見出した母親は、今度は娘の世話を焼き始める。このような相談が増えるのです。

■ 世話をする矛先が娘に

神奈川県に両親と暮らすA子さん(26歳・営業職)は、兄、弟の真ん中にはさまれて育ちましたが、一人娘ながら母親とべったり仲がよいというわけではありませんでした。幼い頃からずっと母親の関心は兄、弟に向けられていました。子供の頃は母親のそんな態度を寂しいと思ったこともありましたが、思春期あたりからA子さんなりに気持ちを割り切るようになりました。たまに、友人が母親と一緒に買い物に行った話を聞くと羨ましいと思う程度で、自分は自分と思えるようになっていたのです。

しかし兄は転勤で関西に、弟は東北の大学に入ったため、家の中は急に静かになりました。しばらくすると、母親はA子さんの部屋を勝手に掃除したり、頼んでもいないアイロンがけをしたり、帰宅時は必ず車で駅まで迎えに来たりと身の回りの世話を焼くようになりました。

「正直、母は誰かのために役立っていることに自分の存在価値を見出すのです。感謝はするけれど、してくれることがだんだん重く感じられるのです。」

■ 母親の情熱をどこに振り向けてもらえばいいのか

このようなタイプの母親なら、家庭以外に世間のために自分の力を役立てられる場所を見つけると良いかもしれません。例えば自治会の役員やボランティアなど、情熱を向けられる対象を見つけることで尽くす矛先が変わるでしょう。もっともその対象探しは娘さんに委ねられるのかもしれませんが、世話を焼かれることが重荷に感じるのであれば、自分の心の平穏のためにも提案してみるのも手ではないでしょうか。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]

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