年度末は普段よりバタバタしやすく、ストレスをためる女性の方も多い季節です。「ストレスが0になればいいのに…」なんて思ったことはないですか? 確かにストレスが多すぎるのは深刻な問題ですが、ストレスが0になればいいというものでもないという事実をご存知でしょうか。

 
■ ストレス0の状態を作り出す

心理学で有名な実験の一つに「感覚遮断」があります。被験者はアイマスクをされ、耳栓をつけ、直接手でものを触れない状態で実験を行います。つまり、視覚・聴覚・触覚の刺激が入らないように制限されている状態です。食事やトイレの時を除いては柔らかいベッドの上にいるように指示され、好きな時に寝ていいと言われます。「何もすることがなく、いつでも寝られる状態」というと、普段忙しい方などは「なんと幸せな空間か」と思われるかもしれませんね。

しかし、この実験を2~3日続けると、自分で物事を考えられない(催眠に近い)状態になったり、独り言が増えたり妄想する様になったりという症状が出ることが分かっています。一見、ストレス0の状態が作り出されているにもかかわらず、人は「新たな刺激」を求めてしまうということです。

 
■ ストレスは高すぎても低すぎてもダメ

このことは、「ヤーキース・ドットソンの法則」と呼ばれる、生理心理学の実験からも明らかになっています。黒と白の目印を区別できるよう訓練されたネズミに対し、目印の区別を間違えたときに電気ショックを与える実験を行いました。電気ショックの程度が強まるほど正答率が上がっていくのですが、ある一定のショック度合を超えると正答率が下がっていくということが明らかになりました。

私達のモチベーションにも同じことが当てはまります。すぐに出来てしまうような低すぎる目標を与えられても、やる気はあまり出ないものです。一方で、「年収1億円を達成する」といった到底できそうもないと思うような高すぎる目標でも、諦める気持ちが先に立ってしまうことからやる気は出づらいというわけです。

 
■ 適度なストレスをプラスのエネルギーへ

ストレス社会と言われることもある現代ですが、適度なストレスは逆に必要なのです。ストレス自体が悪いわけではなく、悪く解釈してしまう「考え方」が問題であることも多いものです。ある程度のストレスは人生をプラスにするエネルギーになると前向きにとらえ、忙しい時期を乗り越えていきましょう。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2017年3月12日]

 

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません