有給休暇の取得についてのマイナビウーマンの記事が大きな話題になりました。今回は「世界一の休み下手」と言われる日本人の有給休暇について、統計データをもとに考えてみましょう。

 
■ 日本人の有休消化率

ホテル・航空券予約サイト「エクスペディア」が2016年9月に世界28ヶ国9,424名を対象に、有給休暇国際比較調査を実施しました(※)。

ブラジル、フランス、スペインなどが消化率(支給日数÷消化日数)100%であったのに対し、日本は最下位の50%となっています。ただ、日本と世界各国では祝祭日の数も異なり、日本の祝祭日数16日は現在世界1位のコロンビアとインド(18日)に次ぐ日数であり、有休消化率が低いことだけをみて必ずしも「休めていない」とは言えないことも考慮する必要はあるでしょう。

 
■ なぜ有休を消化できないのか

先述の調査によると、休みを取らない理由の第1位は「人手不足」、2位は「職場の同僚が休んでいない」となっています。自分が休みたくても代わりに仕事を担当してもらえるスタッフがいない、同僚も休んでいないのに自分だけ休みづらい、という理由は、確かによく聞かれるところです。

「人手不足」に関しては、セブン・イレブンのある店舗で「休むと連絡を入れたら代わりの人員を探すようオーナーに言われたが探せなかった。そのペナルティとして罰金が引かれていた」という問題がSNSを通じて拡散されたことは記憶に新しいと思います。このセブン・イレブンの例は極端かもしれませんが、「休みたくても休めない」日本の職場体系を象徴しているようにも思われます。

「職場の同僚が休んでいない」については、周りを気にしてしまう日本的な考え方が影響しており根の深い問題といえます。取得しやすい環境を作り、少しでも有給を取得し消化率をあげるために「有給休暇の計画的付与制度」の導入企業が増えることが望まれます。

この制度では有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結ぶことで、部署全体で一斉休暇をとるなど計画的に取得日を割り振ることができるというもので、労働者が有給休暇の権利を行使しやすくするメリットがあります。

 

電通や三菱電機が違法な長時間労働で書類送検されるなど、蔓延してしまっている長時間労働の風土を変え、労働者がより働きやすい職場環境を構築できるように政府、企業経営者の対策がこれまで以上に求められるのではないでしょうか。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2017年3月1日]

 

有休消化率3年ぶりに最下位に!有給休暇国際比較調査2016(エクスペディア、2016年12月15日)
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません