■ 上司の口癖、気が付けば母親とそっくり

今春、学校を卒業し社会に出る人は、期待に胸を膨らませていたことでしょう。一方で、仕事を覚えられるか、職場にはどのような人がいるのかなど不安も多かったはずです。

さて実際に働き始めて最初は気が付かないものの、1カ月も経つと、職場の人達の性格傾向、タイプがだんだんわかってくるようになります。

上司は厳しいけれど、たまに面白いところも。先輩は優しいけれど、時に意地悪になるなど。そんなとき、ふと気づくと苦手な人がいるものです。この人に何か聞くときはとても緊張する、なぜかその人から呼び止められるだけで、「自分、何かやらかした?」と思ってしまう。

では、その人は一体どのようなタイプなのでしょうか? よくよく観察してみると……。母親にそっくりなのです。物の言い方が。

「ねえ、どうしてこのくらいの事が覚えられないの?」「言ったよね、わからないのなら早めに聞くようにって」。こうした言葉をかけられると、子供の頃に母親から何度も言われ叱られたそのシーンが脳裏によみがえり、萎縮してしまう自分がいませんか?

 

■ 母親と職場の人は違う人間だと認識すること

母娘関係改善カウンセラーの筆者のところにも、このようなご相談が寄せられることが多いです。そして、だんだん会社に行くこと自体が重荷になり、仕事を辞めてしまおうかと思い詰める方もいます。

学生時代、必死に就活してやっと入ることができた会社なのに。このチャンスを、母親に似ている人が職場にいるというだけで、精神的ダメージを受けるからといって、会社を辞めようと考えるのはなんとももったいない話です。

まずは職場の人が母親に見えるならば、その時点で自分の錯覚を認識して下さい。目の前にいるのは職場の上司(または先輩)なのだと。そして、さらにその人の前にいるのは子供ではない、大きくなった私自身なのだと。

上司(や先輩)が母親に見えているときは、自分自身も小さくなった子供のように感じているはずです。そこで、母親にさんざん叱られ、怖くて怯えていた感情が心を占めているのかもしれませんが、そうではありません。あのつらい時期を乗り越えてきたのが今、ここにいる自分なのだと、はっきり自覚して下さい。そのプロセスを感じることで目の前にいる人への恐れがなくなり、仕事の話が少しずつできるようになるはずです。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2017年4月27日]

 

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません